南の島で見た夢
でも私も 初めての泡盛をけっこう飲んでいたので、この時涼さんとどんな話をしたのか、正直覚えていない。
そしてけんけんが佑樹さんを寝かせて帰ってきた。
「今美月から話聞いたんだけど、今日満室で、部屋空いてないわけよ。泊まるのは全然いいんだけど、俺の部屋でみんなで雑魚寝だよ?」
『そうなんだ、どうする?美月』
「うーーーーーーーん…」
私達が困っていると涼さんが
「少し濡れちゃうけど、今日は帰った方がいいんじゃない?二人は女の子なんだし、会ったばっかりの男の人の部屋に泊まるのは、あんまりよくないさぁーね?」
私達はホテルに帰ることにした。
けんけんと涼さんが、軽く"泊まっていきなよ"と言うような人じゃなくて、なんだか嬉しかった。
「送っていくよー」
バーのドアの前で、涼さんが着ていた上着を頭にかけてくれた。
「悪いけど美月にはこれでもいい?」
けんけんがバスタオルを持ってきた。
『えっ大丈夫です!涼さん濡れちゃうから』
私は上着を返そうとした。
「大丈夫よー。俺、小さい頃から雨をよける特訓してきたから、雨全部よけれるわけさー(笑)」
私は思わず笑ってしまった。
『なにそれー(笑)じゃあ、ありがたく借りますね』