南の島で見た夢
お兄さんの名前は、けんたろう。
30歳。
あだ名はけんけん。
趣味はお酒を飲むこと。
職業、ペンションのオーナー
「ねーねー達どこから来たの?」
けんけんが蚊取り線香に火をつける。
『東京です!』
「7日間の旅行なんだよねー♪」
「7日間?長いねー!せっかくの沖縄、たのしんでよー(^^)」
それから三人でいろんな事を話した。
沖縄のこと。東京のこと。
趣味や嗜好。
家族のこと。
仕事の話から恋愛話まで。
気がついたらもう限りなく朝に近かった。
『わ!もうこんな時間!』
「ほんとだ!もう明るくなり始めてる!笑」
けんけんは こんなのしょっちゅうだよ というような雰囲気でグラスを洗いながらニコっとした。
「明日はどこ行くの?」
『まだ決めてないんだよねー』
私達は敬語すら使わなくなるほど仲良くなっていた。
『観光よりも、地元に触れてみたいかも』
「わかるー!畑にいるオバーと会話とかしてみたい!」
けんけんは笑った。
「なら話しかけてみればいいさー!オバーなんてたくさんいるよー。でも多分、話せないはずよ(笑)」
『どういうこと??』
私達はキョトンとする。
「沖縄のオバー達はよ、俺らでも聞き取るのが難しいような言葉使うわけよ。昔からのうちなーぐち(沖縄の方言)。だから多分何言ってるかわからないはず(笑)」
『そっかぁー。確かにー。』
「でもけんけんと話して 方言聞いてるだけでも、沖縄にいるって感じるから楽しいよ♪」
「そう?俺なんかそんなにナマってないと思ってるけど?笑」
『いやいや!超ナマってるよ!笑』
「あ!ちょっと待ってよ?」
けんけんが携帯を開いて誰かに電話をかけている。