南の島で見た夢

それから佑樹さんと涼さんが着くまでは、そんなに時間はかからなかった。

三人で昨日のように話して笑っていると、バーのドアが開いて、男の人が二人入ってきた。

ガチャ

「よっ。」

「よお。」

けんけんが慣れたふうに挨拶を交わす。

一人は、けんけんよりも色黒で、サンシンらしき物を肩にかけていて、ニコニコお兄さんって感じの人だった。

もう一人は、モミアゲとアゴ髭がつながっていて目力が強く、少し疲れているような表情をしている、濃い顔の人だった。

これが、二人の第一印象。

「あーどうもすみません。けんたろうの同級生の佑樹です。昨日言ってた東京の子達ですか?(^^)」

サンシンのお兄さんが話しかけてきた。

『あっ、はい。里美です』

「美月です」

「若いねー。失礼ですが、おいくつなの?」

『二人とも、今年で23歳になります』


サンシンのお兄さん=佑樹さんとそんな会話を軽くしていたら

「おーーーい(笑)」

佑樹さんの後ろからもう一人のお兄さんが口を開いた。

「佑樹ちょっと、自己紹介くらいさせてくれるか?笑」

あ。笑った。

「どうも、けんたろうの同級生の、涼です。」

目力が強いぶん 少しこわいのかと思ったけど、話すとものすごく柔らかく、優しく話す人だった。



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