私と兄妹
「やっぱり聞いてないか…。まぁ、急だったから仕方ないよ。」
そうだなぁ…。あの人のことだから、帰ったらぶん殴ればいいか…。
「じゃ、今いる兄弟だけでも紹介したいから中入って。」
「はい!」
私は奏多さんの後に続いて入る。
「わあ〜…。」
めっちゃ広い。自分の家とは比べものにならないくらい。
「あ、流奏(そるう)!」
ふと奏多さんが声を上げた。
その視線の先には小学生くらいの男の子がいた。顔がものすごく可愛い。
「こいつは流奏。小三で末っ子。」
「そうなんですか。私、風巻 林檎。流奏くん、よろしくね。」
私は手を出す。
「うん!よろしくね。林檎お姉ちゃん!」
流奏くんは顔に劣らず声も可愛く、手を差し伸べてくれた。
と、思いきや、
「グェッ…。」
いきなり、持っていたおもちゃの剣で腹を刺された。
「べーーだ!」
おまけにあっかんべーまでして去っていった。