Arrivederci!

「ねぇ、チノ。チノには、お母さんいる?」



その次の日の夜もキミは来た。


その日のキミは少し寂しそうだった。



「私のお母さんはね、あそこにいるんだよ」


ヒビキは、そう言って夜の星を指差した。








「お母さんは、お星様になって毎日私を見守ってくれているんだって、お父さんが言ってた」



そう言ってボクの背中を撫でるヒビキは哀しそうに眉を眉間に寄せていた。



でも…、








「でも、ね?遠いでしょ?どんなに手を伸ばしても届かないし、話かけても答えてはくれないの」




「うん」



分かるよ。




ヒビキの気持ち。





「チノも独りなの」




うん、そうだよ。




「私とお揃いだね」



キミは寂しそうに笑った。




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