Arrivederci!


その次の夜もキミは来た。


よかった。

今日のキミは楽しそうに笑ってる。



「今日はねぇ、チノにプレゼントがあるんだよ」



ヒビキはそう言ってボクに何かを取り付けた。




「ね、どう?」



ヒビキの手鏡に映ったボクの首には赤色のリボンが巻かれていた。




初めてもらった。


今までボクは誰かに何かを貰った事なんて一度もなかった。





だから何度も何度も馬鹿みたいに繰り返した。



「ありがとう、ありがとう」


キミに届いたかな?




届いたよね?





だって嬉しそうにキミも笑っていたから。



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