believe
さっきから気になってはいたけどさ、
屋上にソファーとテーブルが置いてあるって
普通ではないと思うのは私だけ?
いやここは異常だ。
そうやって自分に言い聞かせ早く時が過ぎるのを待った
「てめぇ、また変なの拾ってきたな。」
1人席に悠々すわる金髪ピンクメッシュが発した言葉
拾うって..私はものですか。
若干傷つくわ!
「いやいやいやこれはなかなか大物!」
大物って。今度は魚かよ!
しかもこのゆうとってひとはなんなの⁉︎
「どっからどーみても女の子じゃん?戦力になるわけ?」
このオレンジ頭、私を戦力に使おうとしているのか。
面白いけど、却下。
「女の子とかまだいたんだね〜」
いますいます。明らかに超かわいい顔して感心してる君よりは女子力低いけど
「どうでもいい。飯。腹減った」
一番ごもっともな意見を出してくれた黒髪に青メッシュのこの人。
この際パシリでもいいからここから抜け出したい。とさえおもう、
「はぁ...」
と、小さくため息をつく
「もー、みんな乙夏ちゃんびっくりしてんじゃん。やめてよ」
や、連れてきたのあなたですけどね。
とか思いつつ、頭にあるのはここから抜け出すこと
思い切っていくしかない!
「あのーすいません私授業あるので...」
とその場から立ち去ろうとした時
「 待て 」
屋上に響く低い声
「名前くらいいってけ。」
そう言葉を放ったのは
一番偉そうな金髪ピンクメッシュの人
「結城乙夏です...。」
少しの間沈黙が続いた
「乙夏か。分かった行っていい。」
急に呼び捨てって...
「あ、はい」
そう答えて足先をドアへと向ける。
そういえばこの人タメなのかな....
そんなことを考えてると
「悠登、教室つれてけ。」
「うい、りょーかい!じゃ、乙夏ちゃんいこ!」
と勝手に話が進められてて、私は手を取られてドアから出て行く
一体今の時間はなんだったんだろう。
ぼんやりそんなことを思いながら階段を降りる
「乙夏ちゃん言うの忘れてたけど俺の名前は桜庭悠登(さくらばゆうと)!クラスメイトだし、ゆうとってよんで!」
急に話しかけられてびっくりしたけど、最初の印象とは変わってまぁいい人なのかな?
と思いった。
「悠登ねわかったありがと。」
それだけ言うと教室までお互いしゃべることはなかった