believe



ーーガチャ






今朝と同じ道をたどり屋上に来た






辺りを見渡せば、朝見たメンバーがいる






「そういえばまだみんなの名前とか知らなかったと思ってさ!」





「は、はあ..。」







別に知らなくてもそんな深入りするつもりはないし、いいのだけれど。




と内心思いながら輪の中にお邪魔する







みんな購買のパンばっかで不健康だな〜



そんなことを思いつつ自分の手作り弁当を口に運ぶ











なんだろう。なんか横から視線を感じる....










チラッと横目で左を見ると金髪のかわい子君が私の卵焼きを愛おしそうに見てる







うっ.....



やばいこれこそ激かわ。






おもわず


「た、たべる...?」







と聞くと


「え!いいの⁉︎まじで!んじゃ遠慮なく!」





と言いながら私の卵焼きを口に運ぶ






え、まって。美味しくなかったらどうしよう






急に謎の不安が出てきて

じーっと反応を見ていると彼の動きが止まる。






こ、これはもしかして美味しくなかったかな







心配になって



「お、おいしくなかった?」


と聞く。







しかし彼はなかなか答えてくれない








ドキドキしながら反応を待つ









ゴクン





飲み込む音がした




すると数秒後。









「うっまぁぁぁぁぁああ!!!!」









なんて、叫ぶもんだからこれは驚いた





「お、そ、それはよかった!」




ほっとしつつ、褒めてもらえた気がして結構嬉しくなる





「はーー!ずるいぞ星也だけ〜俺だって乙夏ちゃんのたべたかったーー」






しかも、悠登までそんなことまで言うから余計嬉しくて思わず笑ってしまった










そしてまた目線を感じる。






「え、いや。なに?」


「乙夏ちゃんが笑ったの初めて見た」

「やばい俺ちょっと感動」






とか言い出すもんだからほんとに驚き





そりゃ人間だし笑いますよ




「そんなんでいちいち感動とかジジイかよ」





と黒髪青メッシュの彼からツッコミが入る





「うるせーよ聖月!お前にだけは言われたくねぇ!」





「あ?意味わかんねえ」







なんだか、二人のやりとりが面白くてまた笑ってしまった






そんな感じで。


場の雰囲気も和んだ時







「ていうか、俺らまだ自己紹介してないからしなきゃと思ったんだよー」





悠登が思い出したように言う






名前くらいは聞いて帰ろっかな




と、さっきの自分とは思い切り真反対のことを言っていることに気付く






「あー確かに!んじゃあ俺から!」




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