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「でも、もう一つ問題がある。」
そう切り出したのは春道
「もんだい?」
私が尋ねると「あぁ」といって説明してくれた
「そもそも、族ってのはむさ苦しい男だらけの場所だ。
そんな中に幹部の女でもねぇ奴がいきなり入るだなんて前代未聞なわけ。」
「たしかに...」
考えてみれば、女である私が簡単に族に入るといっても問題がありすぎる
「え!そんなの簡単じゃん!!」
私の思いとは真逆のことを言う星也
しかも、首を傾げてゆってくる姿が可愛すぎて...
でもそんな私に釘をさすように一発
「乙夏っちが男装すればいいんだよ〜」
あーなるほど、それいいわ。
って、
なるわけあるかぁぁあぁあ!!
「まって。星也それは、わた..「それめっちゃおもしろい!!」
ノッたとばかりに話を遮る蓮。
いやいやいや!
「ちょっとまって!別に男装しなくても他に方法はあるでしょ!?」
だって、男物の服なんて持ってないし
あ!でも瑛太のはあるか
ってなに、考えてんだ自分!
1人で悩んでるとこれもまた衝撃的な一言。
「じゃあ、俺の女になれよ」
意地悪く言う春道に、騒然とする幹部
「...は?....」
え、この人正気?
「なんだよ、嫌なのかよ」
さっきとはうって変わって不機嫌そうな顔をする。
え、だって。
今日あったばっかりの女に
‘‘俺の女になれよ”
なんて.....。普通言うか?!
「え、あの嫌とかじゃなくて....」
常識ってものがあるじゃない....。
「じゃあ、けってい」
満足げに笑いながら言う彼
いやいやいやちょっと待てお兄さん
順序ってものがあるじゃないの
「え〜でもおれ乙夏っちの男装みたいな〜」
ってこんどはそっちかいーーーー!
それもそれでかなり微妙なんだけど....
「それ!俺もそれ思った!!」
もう、悠登も星也もなんなのよ!!
究極の二択を目の前にした私
「で、どうするわけ?」
聖月の一言でシーンとなる屋上。
「どうするって....」
そんなこと言われてもわかんないよ。
「んーー.....」
もう決めるしかないこと、
「わかった。わたし...きめた!」
みんなの目線がこちらに向く
星也なんか、目がキラキラしてるし....
「 私...... 」
大きく深呼吸をする
「 男装します‼︎‼︎ 」