believe



10分くらいしたころ








住宅街の裏地には入りついたのは、いかにも怪しげな倉庫だった






「ついた、降りろ」







春道のその声で私もバイクから降りる







入るのはなんだか気がひけるけど....






そんなことを思っている間にみんなはさっさと中へと向かっていて







私も置いてかれないようについていった












ーガラガラガラ



春道がドアを開ける、すると








「こんちわっす!!!!」









と、中からは威勢のいい声が聞こえた






なんか、すごいな。



どうやらそれは下っぱの人たちの声らしく







縦社会の厳しさを知った








やっぱちょっとこわいな....







しかし、入らないわけにもいかないので私も恐る恐る中に足を踏み入れた












「え?」






予想外の光景に目を疑う



疑ってみたけど、それは事実で








見ためからは想像もつかないような、少し小洒落たカフェみたいな室内に




下はコンクリートの床にカーペットが敷かれている



その上にはみんなで座れるどでかいソファーにテーブル、ぎゃくに一人用のデスクやいすもあって、まさに完璧な設備。








それにもっと驚きなのは


そんなコンクリートの床の真ん中から、どでかい階段が上へとつながっていてそこにも部屋がある感じだった









ひ、ひろすぎるっ.....








どうやってこんな場所を手に入れたのかとにかく疑問。








恐るべし、高校生







そんな感心している私に気づけば鋭い目線が注がれる







あ、そうだ。今男装してるんだった






すっかり忘れていた私




どうすることもできないので、みんなの後についていった



ついた場所はまさかの真ん中のどでかい階段をのぼった上の部屋





そこにも広い空間が広がっていてテーブルを囲むように真っ黒なソファが置いてあった











「おめぇら、よくきけ」







突然口を開いたのは春道




階段を上って下の皆に向かって大声で呼びかけている









「今日から、鳳桜に新しく入った仲間だ。よくしてやってくれ」







そう言ってポンと私をを前におし出す








何かと思えばそのことか






下のみんなは、ざわざわしている






うん、そりゃそうだ。





それにこうなってからのことを何にも考えてなかったし.....






どうしよう。






何て思ってる私の代わりに春道が説明してくれた










「もう一つ。重要なことがある、落ち着いて聞いてくれ」










ーーバサッ




「うわっ!ちょ、なにすんのよ‼︎」





いきなり髪の毛の長さを隠すためにかぶっていた私の帽子をとる









ポカーーン



大きく口を開けて驚いている下の人たち




あらま。


これは驚かせてすんません。








「ま、今のこれで分かったと思うが、こいつは女だ。色々あって俺らんとこに来ることになった、他の族に女がいるとばれたらめんどくせぇから男装してる。」







簡潔にいってくれたけど....
きっとまだみんな理解していない







そりゃ。いきなりそんなこと言われて





‘はい、そうですか’





となる方がおかしい。







その間に自己紹介しろと言われたのですることにした







「あ..はじめ、まして。今日からお世話になります、結城乙夏です、お願いします....。」






緊張のあまり、声が裏返ってしまった。









「そういうことだから、よろしく。」







彼はそう言って後ろを向いた








と、思ったた瞬間。






くるり、と体の向きを変えた







みんなもどうしたのか不思議がってる









「あと。言い忘れたけど、こいつに手だしたらただじゃおかねぇから」









と、一言加えて行った





かぁぁぁあ



一気に自分の顔に熱が帯びていくのがわかった





きっと、春道は仲間としていったんだ







仲間として......









不覚にも ‘キュン’ としてしまった自分を恥ずかしく思う








って!!



私さっきから、なに春道のことばっか考えてんの‼︎










そんな思いを隠すように下のみんな背を向けた





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