believe


焦る私を置いて



幹部はちゃっかりソファに座り、お茶でもいっぱいなんて顔してお菓子を食べてる






さっきの私のトキメキはなんだったの....






まったく、かえせ!!






そんなクレームをつけながら1人プンプンしていた






「乙夏っち、みんなに認められてよかったねぇ〜」




ニコニコ美味しそうにスナック菓子を頬張りながら言う星也




「え、あれって認められてるの⁉︎」






ないでしょ、どっからどう見てもないでしょ




「えー!だって、春道が帽子とったときみんな ‘美人だな‼︎’ とか ‘俺タイプ’ とかいってたもん!!蓮も聞いてたでしょ?」





「あ〜言ってたきもすんな!」





絶対今適当に返したよね、蓮。



お見通しですことよ?




そんな私の目線に気づいたのかわざとらしく口笛を鳴らし




‘俺便所行くわ〜’などあからさまに避けるように消えてった




しかも五分前に行ったばっかじゃん‼︎






そんな心配をしていたけど、どうやらトイレではなくそのまま出かけたようだった







「乙夏、そんなに蓮がきになるか?」






ふと声をかけられ、春道に目をやると



なんだか切なそうな目をしていた





「いや、そーじゃなくて。五分前に行ったばっかなのに頭大丈夫かなって」



「ぶふっ....」




真面目に春道に対して答えたものを遮るようにして吹き出したのは悠登



「な、なによっ...」



毎回毎回吹き出されるとなんだか、しゃべりづらくなる




「頭大丈夫かなって....そこ突っ込むとかさすがだねぇ〜」





何て言いながら爆笑している






「う、うるさいってば‼︎別に思ったこと言っただけじゃん!」



「ごめんごめんっ....怒んないでって‼︎」







絶対悪気なんて一%もないのは、わかってるけど



こうやって人と言い合ったのも弟以外久しぶりで自然と頬が緩んだ







あ、その前にはるみち....って





これば、やばい、




明らかに黒いオーラが出ている彼はここにいる聖月や星也そしてさっきまで爆笑していた悠登まで黙り込むものだった









「乙夏....」


「...はい...。」


「ちょっと、こっちこい。」




そう言ってソファからスッと立った彼は奥の部屋へと足を向かわせている






ゴクン






思わず唾を飲み込む




他の幹部たちに目をやれば







口をひきつらせ私に手を振る星也


顔の前で手を合わせごめんと言う悠登


そんな二人を見てため息をつく聖月








とにかく付いていけってことか....




私は今までにない緊張で春道の後に続き部屋へと入っていった








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