believe
エンジンを切った瞬間
風がブワッときて、抱きしめる手に自然と力が入る
身近に彼がいるせいもあって風は冷たいのに体は火照っていた
そんなことを思っている間に家の近くのスーパーが見えてきて
買い物でもしてくか.....
そう思って春道背中をバンバン叩く
「あ?どした」
「ここで、おろしてくれるー?」
「なに?きこえねぇ」
お互いの声が風にかき消されていつの間にかスーパーを過ぎてしまっていた
「あ....過ぎちゃったよ」
まぁ家におくってもらってからいくか
初めに私が指定した場所まで春道に送ってもらった
「ふぅ....ありがと。ごめんね?わざわざ」
そう言うと
「きにすんな、俺が好きでやってるだけ」
そんなことさらっと言ってくれるもんだから
ちょっと嬉しくなってる自分もいて
「んじゃ、俺行くけど気をつけてな」
家まで3メートルもない道のどこに気をつけるのか。何て思ったけど
「うん、ありがと。じゃあね」
そう言っといた。
なんか言うとまたグタグタいわれるから止めとこ
その言葉を聞いた彼はまた、バイクにまたがり夕焼けに染まる街を
颯爽と走っていった
ーーガチャ
「ただーいまー」
返事がない。
まだ帰ってないのか、良かった
私は買い物に行くために私服に着替え
また家を後にした