believe


入ったのは落ち着きのある大人なカフェ






なかにはいると
蓮が席を取って注文までしてくれた






こりゃ、もてないはずがない....







なんて、内心思いつつ観察してみる









「はいっと。てか、コーヒーでよかった?」





「あー大丈夫!これおかね」







私が彼に小銭を差し出すと





「フフッ、やめろって。これくらい奢る」






そう言って私の手を押し戻した






「あ、ありがと...」






やっぱり、見ためチャラいけど紳士なのね



感心しましたよ。




そんなことを一人で思っていると










「俺さ...」



今までの雰囲気とは打って変わって
いきなり真面目なトーンになった彼







「あ、はい...」








その雰囲気に飲まこまれ、
こっちまで硬くなってしまう










少し沈黙が続く









「おれ......みんなを騙してんだ」










沈黙を破ったのは蓮のその衝撃的な一言






私が顔を上げると

ものすっごく悲しそうな顔をしていた







でも、聞き返さないわけにはいかなかった








「だ、だます...?」





いまいち把握できてない私




「あぁ.....。さっきさ俺の周りにいた奴らいただろ?」








自販機の周りのガラの悪い奴らか










「おれ、あいつらに脅されててさ。」




さっきからポンポンと衝撃発言をするこの人








は...?!



「ちょ、まって。お、脅されるってなに?」






東関東一帯を占めてるような人の中のさらに幹部の人がおどされるって....






タダじゃないことくらいわかる






「べつに、俺一人の問題だったら脅されても怖くもなんともねえんだよ。




ただ......」







ただ..?






そう言うと彼はぎゅっと目を瞑った






手は少し震えてて、きっととてつもなく辛いのだろう。





私はギュッとその手を掴む










少し驚いた顔で私の目を見る蓮











「私でよかったら話して?」










本心の優しさからそういった



すると彼は








「ありがと...」




と、言ってゆっくりと口を開いた








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