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警察につき、俺と華は別々の部屋で話を聞かれた
前に面識があり助けたこと
ナイフを持った彼女を見たこと
俺は全てを、ありのまま話した
それから
尋問が終わったのは11:30ごろ
一時間もかかったのかよ
なんて思いつつ、彼女の姿を探す
「....いた。」
偶然にも
俺が解放されたタイミングとともに、彼女も解放されたみたいだ
そしてまたぶつかる目線
少し驚いた表情していたけど、すぐに目を逸らされた
「なんだよ....たすけてやったのに、」
俺はそんな独り言をいいつつ警察署を後にしようと歩き出した
「ちょ....ちょっとまって‼︎!...ください」
その声に反応し後ろを向く
「あ、あの....また助けてくれてありがとうございました....。」
そう言ってまだ震える手を抑えながら頭を下げた彼女
顔を上げると切なそうな、今にもこの世から消えてしまいそうな顔をしている
当然だよな、目の前で自分の両親が死んだところを見たなんて
でも心の中ではその時、
その顔を見た瞬間。
俺の中に何かが芽生えていた
きっと。今になって思えば
俺はあの消えそうな笑顔をみた時既に
彼女のことが、好きだったんだと思う。
でも、そんなことに気づいてない自分
「お前、きょうどことまんの?」
とにかく守ってやりたい、安心させてやりたい
「...えっ....や、家には帰れないし、そこらへんで寝泊まりしようと....」
その一心で
「じゃあ今日、おれんちこいよ」
なんて言葉を口走っていた