believe
「はなっ!!!!」
彼女を見つけた途端気持ちよりも前に
足は反射的に動いていた
俺の呼び声と共にこちらを向き、肩をビクっとさせた彼女
俺の顔を見ると、切なそうな怒ったような
そんな顔をしていた
「華....」
もう一度目の前にしゃがみ、彼女の名前を呼ぶ
すると、ポロポロと静かに泣き始めた
そして華の頬に伝う涙を拭おうとした時
「さわらないでっ!!!」
声を荒げた彼女に、俺は驚きを隠せなかった
「さわら....ないで。」
もう一度その冷たい言葉のトゲが
俺の胸に突き刺さる
「....ごめん」
それしか言えることがない
でも、事ははっきりさせなくちゃいけない
しばらく沈黙が続き落ち着いた彼女に、俺は優しく尋ねた
「なぁ、華.......
妊娠してるってほんと?」
そう言うと今度は彼女が驚いた顔をした
「なんでっ....しってるのよ」
総長から聞いたなんて言えるわけも無く
俺は質問を続けた
「赤ちゃんは、今どうなって....「流産しちゃったんだ。」
え...?
被せられた言葉にすぐに反応ができない
「りゅう....ざん....?」
そう言うと、コクンと頷き説明をしてくれた
「さっき、病院にいって聞いたら赤ちゃん私のストレスの性で死んじゃったって.....」
「華のせいじゃない!」
とっさに出たのはその言葉。
そして、また沈黙が続く。
「元はと言えば.....あなたのせいじゃない」
しばらくして帰ってきた言葉は惜しくも恨みのこもったものだった
「あなたがっ....同情なんかでわたしのこと抱いたからっ....」
同情なんかじゃない
いいたかった。
けど、言えなかった。
だって、俺が彼女の人生をめちゃくちゃにしたのは事実だったから
「ごめん」
そう言って俺は拳を握りしめタクシーを呼び、華を家まで連れてってくれるよう頼んだ
ーーブォォォン
タクシーが過ぎ去った音
「ごめんな、はな.....」
一生俺が、陰でお前を守るから。
どうかこんな俺を許してくれ。
そして、幸せになってくれ
そんな思いをはせ
おれは再び夜の街へと戻った。