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外に出ると、もうすっかり暗くなっていて私はスーパーへと向かう事をすっかり忘れていた
「乙夏、今日は本当にありがとう」
「大丈夫。こちらこそ話してくれてありがとう」
ニコッと微笑む彼に軽く頷き
ふと時計を見ると、時刻は8:00ちょい前
「やっば!!
瑛太帰ってるかも....」
早く帰んなきゃ!
あ、でも家に材料ないし....
やっぱ急いでスーパーに行こう
「蓮、私買い物しなくちゃいけないからここでバイバイするね」
瑛太ご飯に関してうるさいし
「あ、まじ?
あれだったら俺も付いてくけど。」
髪をくしゃっとしながら言う彼
「え!?いやいいよ!申し訳ないし!」
急にそんなこと言われるとびっくりしてしまう
「んじゃ、俺が行きたいからいく。
これならいいっしょ?」
そういって、スタスタ近くのスーパーへと歩みを進めていく彼
「ちょっ蓮!まって!!」
蓮を追いかけるように歩いていくといつの間にかスーパーへと着いていた
もちろん彼も付いてきてて、
しょうがないか。なんて思いつつ
私は一通り食材を選んでいく。
しかし、なぜだか選ぶことに集中できない
理由はもちろん
彼といるせい。
そりゃそうですよね〜
顔はモデル並みの顔立ちをしている蓮
当の本人は、何も気にせず
「あ、これうまそう。」
なんていってるけど...。
もうちょい自覚持て!
と心の中で叫びつつ
「蓮、もうお会計してくるね?」
というと
「おう!」
と元気よく返してくる
そして買い物を終えた私達は再び外に出た
ドアが開いた瞬間の風は、まだ寒くて
風邪ひきそう。
なんてことを考えていると
「荷物、持つからちょうだい。」
とかいって、サラッと私の手からビニール袋を取っていく
「えっいや。あ、ありがとう!」
不意にいわたことばで、断る間も無く私は蓮に荷物を持ってもらうことにした
帰り道。
たわいもない話をしながらついた私の家の前
「ありがと!ここだから荷物もらうね」
そういって、彼の手から荷物を受け取る
「おう、気をつけろよ」
「うん!それじゃ、」
そういうとともに玄関に手をかける
ーーーガチャ ガタンッ
「え?」
ドアを引く右手が引っ張られたまま
「ん、どしたー?」
「な、なんかあかない!」
パニクる私をよそに、至って普通の蓮
なんで!?
隙間から覗くとチェーンが中からかけられている
「瑛太のやつ....」
明日の弁当はないとおもえ。
そんなことを思いつつわたしは家のインターフォンを、思い切り連打する
ピンポンピンポンピンポーン
住宅街に響く音
家の中から、こちらに向かって人が歩いてくる音がする
ーーガタン
中のチェーンがあいた
ーーガチャ
「ちょ、えいたっ!あんたねぇっ!!!
って.........」
開いた瞬間ドアを開け、私は半ば殴り込みに入る勢いで右手を引いた
んだけど.....
「....は?」
この家の住人ではないはずの人間が、玄関こら出てくる
ましてや
「おせえんだよ、いつまで俺を待たせるつもりだ。」
なーんて言ってくるから
「....はる、みち...?」
たまったものじゃありません。