believe
「っ.....」
痛む身体にムチをうち身体を起こそうとすると激しい頭痛が襲う。
「あ、ようやくお目覚めかな?」
ぼやける視界がクリアになった途端
この聞き覚えのある声とこのシルエットにに、久々に寒気がした。
「仁.....てめぇ、どういうつもりだ...」
黒虎のときの一番の仲間だった仁。
何故こいつがここにいるのかがわからない。
「どういうつもり?
フッ...笑わせんじゃねえぞ....」
ーーバキッ
「ぅっ......」
仁の蹴りが一発俺の腹部に入る
「わかってねえお前に、俺が優しく教えてやろうか。」
そう告げたこいつの顔は、今まで見た中できっと一番冷たく鋭かった。
ーーバシッ
「っ....なんだ....教えろ」
顔面に響くこいつの拳に、堪えず口を開く俺。
「くたばらねぇやつだなぁ....。
華だよ、華。」
はな....?
一気に嫌な予感が背中を通る
「はなが... 華がなんなんだよ....」
静まり返る倉庫にただ男2人の声だけが響く
「俺の華を....俺の華をおまえはめちゃくちゃにしたんだっ!!!!」
ーーガッシャーーン
大きな音と共に、激しい痛みが再び襲う
「っ....あ゛.....」
「おまえはなぁ...!!!華がどんだけ苦しんでたか知らねえだろっ!!!」
仁の言っていることは何一つ間違っていない。
だからこそ、俺は何も言えないんだ。
あの時だって、何も助けてやれなかった
「華...嘘ついだんだぞ?おまえと病院の前で鉢合わせした時....」
「う...そ....?」
なんだよそれ
「俺はお前がいなくなった時も、あん時もずっと隣にいた。病院の時....華、お前が来てくれるんじゃないかって...毎日毎日あそこに座って待ってた....!!!!!」
なんで、
どういうことだよ
「お前に妊娠は嘘だって、私のこと嫌いになってほしいっていうためにっ!!!
華は何時間でもお前が来るのを待ってたんだよっ.....」
なぁ。
それってよ
「華の子供は生きてるってことかよ」
もう無理かもしれない
「....んだよ。」
はっきりと聞こえたはずなのに
俺の体は受け止めることができない。
「今お前なんて....「死んだよ!!!!華の子供は死んだんだよ!!!!」
目の前が真っ白になる
「.....だって今..うそって....」
「ああ!あの時は生きてたよ!!
でもなぁ!お前のこと待ってるっ....
待ってるって言ってる間に!!
華の体調が崩れて....。死んだんだよ」
「なんでっ.....なんで嘘ついたんだよ...」
冷静だったはずの俺は、何故だから涙を流していた
「でもなぁ...お前に一ついいこと教えてやる。」
「いい...こと?」
「それはもうすぐわかる、だから俺は一旦退散。」
意味不明な言葉を残していった仁
その途端に後ろにいたおそらく仁の手下の男二人が俺の周りを囲む
俺はただただその受け止め難い事実を頭の中で繰り返しているだけだった