believe
ーーガラガラガラ
仁がドアから出ていった数分後、
入り口のドアが開くとともに小さなシルエットが映った
ーーコツン
小さな影が
ゆっくりと、ゆっくりと
俺の元へと寄ってくる。
まさか....
そんな淡い期待を抱きながら、俺はそこから目線が外せない
「...あ?だれだ」
俺の周りを囲む赤髪が言葉をはなつ
ーーコツン コツン
コンクリートに冷たく響く足音は絶えず止まない
「えーなになに。おチビちゃんが俺らに何の用〜?」
またも挑発するのはもう一人の金髪。
仁もなんでこんな奴らと...
何か理由があるはずだけど
そんなことを思っている俺とは逆に、倉庫にケラケラと男たちの笑い声が響く
ーーコツン コツン
全く歩みを止めない目の前のやつ
フッ...
自然と笑みが溢れる。
どうして鳳桜にはこんなに世話がやける奴らが多いいのかと
「おとか...それ以上は...くんな。」
ーーピタ
初めて乙夏の歩みが止まった
なんで迎えになんかきてんだよ、
おれは、そんなみんなに守られていいようなやつじゃねえんだよ。
心の中では思う。
しかし、それでも迎えに来てくれたことを嬉しく思ってしまう自分がいる
「は?なに。もしかしてこのチビ蓮のお仲間?
フッ....笑わせるぜ。
こんな奴で俺らを倒せると思われてるなんて心外だな〜....。」
ーーバキッ
「グッ.....っ.....。」
「蓮っ!!!」
この状況。忘れたかのように俺に駆け寄る乙夏。
ーーパシッ
「...離せよ...」
とてつもなく低い声で言い放った乙夏の瞳は何も写してない、
死んだ目をしてた
「フッ...おまえ俺らに勝てるとでも思ってんのか?あぁ!?」
脅しにもならない脅しで言葉を並べる男
「 黙れ 」
「グオッ.....っ....!!!!!」
乙夏が喋った直後に鈍い音が響く
「まじ...かよ...」
たしかに悠登が屋上に連れて来た時言っていた
男二人を潰したと。
しかし、乙夏の強さは俺の想像を超えるもので
暗いオーラに
死んだ目
ーー恐怖ーー
この言葉が今の彼女にぴったりであろう
「おいっ!!!どうした!?」
後ろのドアから、再び人が現れる
その中には仁の姿は見えなかった。
「全部っ....こいつがっ...」
もちろん視線は乙夏の方へ
なぁ....
なんでそんなに辛そうな顔すんだよ。
呆れたようなそんな顔をした彼女は
ひどく冷たく言い放った
「全員...
地獄につきおとす。」