believe



















「....えっ?」







聞こえたはずの銃声。




しかしそれはその音ではない





ましてやその音を放った人は




「蓮...お前俺らに何も言わねえで勝手に死ぬとかタダで済むと思ってんの?」






鳳桜の彼らだった。










「おまえらなんでっ.....」


「仲間だからに決まってんだろーが。」





当たり前だと言わんばかりの春道





そう言われた蓮の顔を見れば、嬉しそうな苦しそうな顔をしていた





「お前、どうせ俺らを裏切ったとか思ってんだろ」




再び口を開いたのは春道



「えっ....?」



その言葉にれんも驚いている




「俺らの情報こいつらの下っ端に言ってたことぐらい最初からわかってる。」



「じゃ...なんで?!」




「なんで裏切らないか?」


口を開いたのは悠登





「蓮も物分かり悪いねぇ〜」


それに加えふふっと笑っていう星也



「仲間だからだろ。」



最後に聖月が放った言葉が倉庫に響く




「おまえらっ.....ほんとに...。」


「蓮も、てめぇらも話は後だ。




..,.さっさと潰して帰るぞ」







「「オラぁぁぁぁぁあ!!!」」





春道の掛け声とともに倉庫は熱気に包まれあっという間に殴り合いが始まった






ーーグイッ




「わっ...ちょ!」






「 乙夏 」



耳元で甘く囁かれた私の名前



安心感とともに体が熱を帯びていく




「早く来れなくて悪かった。
もう大丈夫だから....」



抱きしめているうではさらに力を増していく




「後もうちょいだけ、付き合ってくれ」



パシッと掴まれた腕に引っ張られ
群衆の中をずかずかと歩いていく




途中喧嘩をふっかけられていた彼だけど片足で蹴り飛ばしていた




....さすが総長。



そんなことを思ってるうちについたのは後ろのドア




そこには、黒虎の総長と華さんの姿があった





「おい待て」



突如呼び止められたことに動揺している総長たち




「く、くるんじゃねえっ!!!」




そういった彼の言葉など聞こえてないように一歩また一歩と足を進めていく




「その女を離せ」



低く脅すような声




「うっうるせえ!!!」


ーーバキッ ガッシャーーン ドンッ



「グハっ.....」



「乙夏!」


「えっ...わっ!!」



ドスンと春道の声が聞こえたとともに私の体に何かが飛んできた





手元を見ればそれは気を失っている様子の華さんでゆっくりと地面に横たわらせる



「ナイスキャッチ」




フッと笑った春道



それは殺人級の胸キュンスマイルだった




「ん..っ...」



しばらくするとゆっくりと目を開いた華さん




「華さんっ!大丈夫ですか?」



「だ...大丈夫...」



私は手を貸しながら華さんを起き上がらせる



「はなっ!!!」



目を覚ましたことを勘付いたかのように蓮がこちらに走ってくる






「蓮....」


「はなっ...ほんとに、ほんとに無事でよかった」



そういった蓮の声は少し震えていて、本当に大事にしているんだということがわかる



「乙夏ちゃん!大丈夫だった?」



いつのまにかさっきまで喧嘩していた鳳桜のメンバーも全員こちらに来た



黒虎の人たちと思われる奴らは全員倒れているか気絶状態。




「やっぱみんなすごい...」


気づけばそんな声が漏れていた




「なに乙夏っち!そんなこと言ってくれるなんて嬉しい!!」




ぎゅーっとされかけたその時



「 星也 」


彼のまたそんなドスが効いた声が聞こえたもんだから


星也も、しぶしぶ後ずさりする




そんな姿が可愛くって、私から抱きしめたくなったのは秘密の話




「っていうか、さっきからそこにいるのバレバレなんだけど。」



そういいながら、上の通路を見上げた聖月




誰かいるの?




そんなことを思っていると






「....分かってたのかよ...」



そう言って出てきた仁と呼ばれる人がいた




「じんっ!!」


突然大きな声をだし彼の名を呼んだ華さん





気のせいかもしれないけど、名前を呼んだ華さんの目は



とっても、愛おしそうな優しい目をしてた



あんなひどいことをされたというのに。





その異変に蓮も気づいたのだろう



「華...少しだけ俺の話を聞いてくれないか?」




ゆっくりと口を開き始めた
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