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「今までたくさん傷つけてごめん...
謝っても本当に謝りきれない。」
うつむく蓮に力強く眼差しを向ける華さん
「蓮...私あなたには感謝してる。」
少しの沈黙を破ったのは華さん
「え...?」
予想もしていなかった答えに蓮も驚いている
「それは..蓮のことを恨んだこともあったけど、でも私あの時蓮が一緒にいてくれなかったらきっと...
.......死んでたと思う。」
そういった華さんの表情はものすごく柔らかくて本当に天使みたいだった
「それにね、私蓮のことを
本当に大好きだった....」
蓮、知らないだけで
あなたはこんなに愛されてたんじゃない
そう思って蓮の顔を見れば一粒の涙が倉庫のコンクリートに染みを作っていた
「だから、お願い。もう私のことは忘れて蓮も幸せになって....
私も幸せになるから。」
そういってゆっくりと立ち上がった華さん
歩みだした方向には
じんさんの姿があった...。
「はな....」
「仁...蓮たちにきちんと謝って、ちゃんと初めからやり直そう?」
彼もきっと思い悩んでいたのだろう。
華さんのことも、蓮のことも
「蓮....ほんとにわるかったっ!!!」
下に降りてきた彼は思いっきり頭を下げた
「俺...ずっと悔しかったんだ
華がお前のことばっかり考えてることが、お前のために行動してることが!」
今にも泣き出しそうな声
「その自己中な俺の想いが度を超えてこんなことになっちまった...
ほんとに、ほんとに申し訳ないっ....」
頭を下げ続ける彼に蓮は思いもしない言葉を発した。
「仁....華のこと頼んでもいいか?」
蓮はいま一つの壁を越えようとしてる
「俺がいままで裏でしか支えてやれなかったこと、お前が表でささえてくれるか....?」
「...蓮。....まかせてくれ...!!」
その言葉を聞いたとともに蓮はゆっくりたちがる
「じゃあ俺はこれでお別れだ...。
二人とも本当にありがとな....!」
ニカっとわらった蓮は今までの見てきた蓮の笑顔で一番輝いていた
「おまえら、行くぞ」
春道の声とともに一斉に歩き出す私たち
「蓮....またな!!」
仁さんのその声に蓮は後ろ向きで手を上げて答え
倉庫を後にした