believe







「え!聖月って犬飼ってんの!?」


「あ?わりぃーかよ」




目的地に着くまで色々と話していた私達はなぜか。







聖月が犬を飼っていた事件






と言う話まで発展していた。



あ、ネーミングセンスについては、蓮君までお問い合わせください




「ほらほら、ついたよー?」



話に熱中していた私達は悠登の呼びかけで目的地に着いたことに気づく



「あれ、はやかったね〜」

「おー!てか、相変わらずでけーよな」


「喋ってねーで早く入れ。蹴飛ばすぞ」





そんな三人の会話を聞きつつ私も後ろを見れば







「え.....なにここ。」







超大っきい真っ白の一軒家が立っていた











あまりの大きさに呆然と立ち尽くす私



え、だって!!


あの前やってたドラマ
昼○の、りかこさんちみたいな家が目の前にあるんですよ!?






「あ、そっか!乙夏ちゃんはじめてだもんね」


そんな私に気づいた悠登はさらっと説明をする




「ここは、俺と春道と聖月が住んでるとこ。まぁ第二の幹部室ってとこかな」




へえー。





なるほど、なるほど。











って!!




「どうゆうこと!!?」




いきなり大声を出した私に少し失笑しながら、彼は優しく手を引いて



「まぁ、とりあえず入ろ?みんな心配しちゃうし」




ニコッと笑いながら玄関の中へ入っていった









○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*




「お、お邪魔しま〜す。」





玄関に入る直前、やはり気の引けた私は

外でむりを連呼し、駄々をこねまくった



しかし半ば強制的に悠登に押入れられ恐る恐る足を踏み入れれば




外だけでなく中も真っ白の綺麗な廊下が目に入った




ーーガチャ



「ピザピザー!ピザ食べたい!!」

「星也、お前には聞いてない。」



リビングの扉を開けると、何やら春道と星也がバトっている声が聞こえる





「どうしたの?二人して」



思わず笑ってそう問いかけると



「あっ!乙夏っち!
ねぇきいてよー、春道がピザ頼んでくれないんだよー!」





なんて可愛らしく春道をギッと睨みながら言った彼




か、可愛すぎる......




でもその攻撃は全く春道に効いてない...



よし、慰めてやるか!

そう思い星也のもとへと向かう





「乙夏は何食いたいわけ?」


「え、私?」


「それ以外いないだろーが。」



なんて言って止められてしまった





「んー、食べたいものか。」


ふと可愛いあの子に目線をやれば




‘‘ピーザピーザ”



と口パクで手を叩くふりをしながら言うもんだから




「んじゃ、ピザで」


と、要望にのってみた



まぁ、何が食べたいわけでもなかったし





「やったーーーー!!!!
乙夏っち大好き!春道バーかっ!」




ものすごい勢いで、春道に罵声を飛ばした星也は私の元へと思いっきりダイブしてきた





「わっ危ないっ!!」




ーーボスン






「乙夏っちに怪我させるわけないでしょ?」


いつもとは違う大人っぽい微笑みを浮かべた彼と私は




丁度真後ろにおおきなL字型のソファーがあったためそこに綺麗にダイブできた








「そ、そうだね、ありがとう」


さっきの微笑みには、ギャップを感じたというかなんというか......




ごまかすためにポンポンと頭を撫でてあげれば懐いた犬みたいにいつもの笑顔で笑ってくれて






もう、可愛すぎる。






あ、家で聖月もこんなんなのかな



「ブッ.....」

「おい、乙夏今変なこと想像してたろ」

「と、とんでもございませんっ!!」




どうやら、ばれてたみたいです。




ーーガチャンッ







どうやら奥の電話で食べ物を頼んでくれていたらしい春道の


凄まじくおおきな電話を切る音で、その場はまた凍りつく







「あれ、春道どこ行くのー?」

「うえ」



こわっ!!
しかもみじかっ!!




明らかに不機嫌な彼はおそらく自分の部屋にいったんだろう




そういえば、まだちゃんとありがとうも言えてないし



後できちんと言わなきゃ。





そう決めて私はピザが来るまでのあいだ適当に過ごすことにした



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