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その後モヤモヤとした気持ちを抑えながら


楽しくお食事を済ませた私たち。




「めっちゃおなかいっぱ〜い。」


「確かにこんだけ食べればね....」




6人で15枚のピザを全て食い尽くした結果は、ギネスに残るんじゃないかとおもうよ、私は



「乙夏そんなくってねぇじゃん?」


蓮にそんなこと言われたけど


「私が食べる前にみんなさっさと食い尽くしてたじゃん」



と、きちんと言い返す



やっぱり、この年の男子の食べる量は違うな



なんて感心しつつ、ふと時計を見れば
針が10時指していた



「あ、もうこんな時間!!瑛太そろそろ帰るよ?」


「ん、あー本当だ。いくか〜」


半分寝かけていた瑛太を起こし、帰り支度をする




「え、もう帰っちゃうのー?」


「うん、また明日ね」


ちょっと悲しそうにいう星也にかなり心打たれたけど



そこはきちんと分けて....


しかもしかも、まだ春道にお礼が言えていない私




「はぁ....」


2人になるタイミングがなくて。なんて言い訳だけど、ちゃんといわなくちゃ





「よしっ!」


と一発気合を入れて、息を整える




「あの...春道」


みんなと少し離れた場所でソファに座っていた彼




「どした?」



少し目があっただけなのに体が熱くなっていくのがわかる




「あ、あの。今日はありがと!色々と!」




危ないとこで助けてもらったり、家まで入れてくれて


あんまり感情を表に出してくれないけど、本当に春道には感謝してる




「ん、気をつけて帰れよ」




通りすがりにポンポンと頭をなでて少し微笑んだ春道はすっごい優しい顔をしてて


ずっとそんな顔してればいいのに。


とか思ったけど、


ちょっとそれは逆に気持ち悪いっていうか....


何かが起こるよね、絶対。



そんなことを考えてるだけで笑えてきちゃって。






「ねえちゃーん、先行くぞー」


瑛太のその呼びかけでやっと我に帰る





「あーごめん!いまいく!!」



そういって、玄関に向かえばもうみんなが揃ってて




「あ、ごめんみんな!」

「おせーよ、何してんだバーカ」


「うっさい、瑛太にはいってないから!」


そうそう言い合いしちゃったけど


それすらも何にも言わないで見守ってくれてるみんなにも本当に感謝だよ



「じゃあ、またな」


「うん、またね!」





おやすみ〜何て言いながらバイバイをした私たち




いきなりみんなの温もりがなくなってからかなんだか寂しくて




早く明日にならないかな〜


なんて考えてしまう



「ねえちゃん、さっきからニヤニヤしすぎ」


それをずっと見ていたらしいこいつ


「べ、別にしてないし!!」


「まぁ、いいけど〜。
あ!ねえちゃんうしろ!!」


「え、なに!?」


「なんもねぇよ、騙されすぎ」



瑛太....



「ふざけんなっ!!」



「ちょ、あぶねえやめろ!」



そんなこんなで、追いかけっこをしながら帰った夏の夜でした。









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