believe



ーーコンコン



「はーい!」


ーーガチャ


「お、早いじゃん乙夏」


「ふふ、まぁーね!」



あの後急いで水着やら何やらを準備した私


「あれ、星也は?」


迎えにくるねと言ったはずの彼じゃなく目の前に入るのは何故か蓮で



「あー、あいつなんかここのオーナーに挨拶しに行ってから来るらしいぞ」


「あ、そーなんだ、」




やっぱりお金持ちって大変なんだなぁ



「なに、俺じゃ不満なの?」


「は!?」



星也の働きに感心していた私を謎に不満と取ったこの男


や、顔はにやにやしてるんだけどね?



いつもいじってくるし....
たまにはお返しということで、、!!



「うん、すっごい不満。」


ガチめな真顔で返してやった




するとポカーンと口を開け

うそだ、とでも言いたげな表情。



まさかそんなにいい反応をしてくれると思ってなかった私


これはもうちょいいける!




「はぁ、もう最悪。」


腕を組んでそっぽを向くふりをしながら
こっそりと彼の事を盗み見。






「グスン....」



て、えっ!!!?


「ちょ、蓮?!」


「わりぃ、そんなに乙夏が嫌なんて思ってなくて.....」



まさかのまさか


こんなところで泣きやがった!!!



「本当にごめん...グスン」

「ちが、違うんだって!蓮泣かないでよぉ〜!!」





廊下で泣くもんだから、私が彼をいじめて泣かせたみたいになってるし...


や、実際私が悪いんだけど....



「蓮?本当にごめんね?ちょっといつものお返しにと思っていじっただけで本当にまさか泣くなんて.....」



もう、何故このタイミング....



よしよしと頭を撫でて泣き止ませようとする私









ーーバシッ


「え?なに...「ってバーカ!!泣くわけねえだろこんなんで!」



ブハハハハなんて言って私を指差しながら目の前で転がって大爆笑する蓮




え....

まって、まさかこいつ!!!!



「騙したわけ!!?」



「騙すも何も、普通すぐ気付くだろ嘘だって!」


目に涙を浮かべながらバカにしてくるし....



「もう!さいってい!!!」


「ごめんごめん、あんまり乙夏が素直だったからさ?」



今度は私をあやすようにポンポンと頭を撫でる彼



そんなんで機嫌とろうとしたってダメなんだから!



ペシッとその手を振り払い



「そんなんで女の子が誰でも寄り付くと思うなよ!」


と、完璧に言い切る



すると何故だか段々と近づいてくる蓮



「乙夏...」



それもとんでもなく甘い声で名前を呼びながら



「な、なに」

え、どゆこと?なに、えなになになに!



突然のことで何が何だかわかってないけど


やばい、これはかなり危険。


どうしよう....


そんなことを考えている間も一歩一歩彼は近づいていて



んんんもう!


走り去るしかない!!!



この危険な状況から逃げるためダッシュという決断に至った私



3...


2...



1....



ダッシュ!!!!




ーードドドドドン



勢い良く駆け出し周りの目など気にせず一直線に走る



蓮が気になって後ろをむけばもう姿は見えなくて



「に、逃げ切った〜....」


なんとか巻けたようす


そしてゆっくりと曲がり角を曲がれば




「わっ!!「つーかまえた!」



予想外です。



A.M.11:30


結城乙夏捕まりました。




って!!


「なんで!さっきまで後ろにいたじゃん!!」


いきなりのことすぎて完璧頭がついて行ってない私


ちゃんと考えても、彼がここにいる理由もわからないし



「しかもなぜ腕で首をしめるてるの....」



疑問は募るばかり



「フッ.....やっぱお前バカだな」


「は?」


突然何を言われるかと思えば....


もう聞きなれてしまったその単語




と、おもったら。



「だってさ、いきなり走って逃げた!と思って喉乾いたから近くの自販にいたら乙夏一周してここに戻ってきたんだよ」



どうやら本当にバカだったみたいです


「そ、それはわかったから離してよ!」


とりあえずそのことは認めたとしても!


意外と苦しいんだけどこの姿勢!


「離したらまたどっか行くだろ、危ない危ない」



だめだこりゃ.....



「え?乙夏ちゃんと蓮なにやってんの!」



ふと、前から聞こえる声に耳をやれば悠登と春道がみえる



「あ、悠登!ちょたすけて!」



かなりのいいタイミングで登場してくれた悠登くんに感謝しつつ


第一にここからの脱出を試みる



だけど、、

「なにって、乙夏といちゃいちゃしてんの」


「あ゛?」



蓮のとてつもなく誤解を生む一言に引っかかってしまった春道




「ちょっと!何うそついてんの離して!」


「俺の頭ポンポンしたくせに」


「そん時はそん時でしょーが!」



今日の蓮おかしいよもう!

今のわからない軽快な会話

「俺もよく分からないけど、とりあえず離れたほうがいいかと....」


悠登がチラッと見た先には超ブラックオーラをだした春道がいて



なんでかよくわかんないけどイカスミ並みに黒いねうん。やばい....



「え、乙夏っち...」

「あ?お前ら何こんなとこでいちゃついてんの?」



しかもここでまさかの聖月&星也登場。



その協調性今使わなくていいのに....

「せ、星也これは誤解で!
聖月ちょっと蓮離して!」




さすがに蓮もここまで大事になると思っていなかったのか



「わりぃって、ちょっと乙夏と遊んでて度が過ぎただけ」



と、結果一件落着?



「もう、何なの蓮!」

「ごめんごめん、乙夏がついおもしろくって」


そういった彼の顔はほんとに楽しそうで


まぁそんなに楽しかったんならいいけどさ....


春道は不機嫌なままだし。



「なんかよくわかんないけど、集結したから海行って着替えてあそぼう!」



そんな悠登の仕切りで海へと向かった

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