believe



真っ赤に照りつける太陽


騒がしくも楽しげな人々の声


そして、遠くまで広がる大きな海




ついに....!


「「うみきたーー!!!」」



目の前の楽しげな光景を前に、待ちきれないといった様子の私達


さっきからこの鳳桜のめんつをみて周りが騒がしいっていうのもあるけど....



まぁ、とりあえずよしとしよう。



「じゃあ早速着替えますか!」

「おーす!」



はっ、、
はしゃぎすぎてとても重大なことをわすれていた.....




何かって?



そんなの...


ビキニに決まってるじゃないですか!!



やばいよやばいよ....

憎たらしいお肉たちが公開処刑になるよどうしよう。



「乙夏、どうした?」


「え!や、あの...なんでも、ない」


一人でその場から離れない私を不思議に思ったのか

聖月が珍しく話しかけてきた



「ふーん。ま、どうせ大したことで悩んでねえだろ。」


「な!超大事なことなんですけど!」


何を察したのか、このビキニ問題を軽率に捉えているこの男


まったくなんなんだ!


「は?なにじゃあいってみろ」


「うっ.....」


言い返そうと思ったけど、かなり怖かったのでやめておきました。




○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*




「や....


やばすぎる!!!!」



外にでも聞こえた位のボリュームで目の前の悲劇を受け止めた私




やばい、、

かなりやばいよこれは。



白いビキニに下はジーパン素材の短パン



足は太いし、


お腹は出てるし、


胸は小さいし、、、




もうこれだめだよ



「はぁ....」


ため息しか出ないね....



「あ、あの!乙夏さん..ですか?」


「え?あ、はい!」


突然後ろから誰かに名前を呼ばれたかと思いきや


まったく知らないわたしと同い年くらいの女の子で


花柄のビキニがとてもよく似合ってる



「外で何人かのお兄さん達に、中に乙夏ってやつがいるから早く出てこいって伝えろと言われて....」


えええ!


「ごめんなさい!私のせいで..」


あんな怖い人たちに絡まれて絶対怖かったよねこの子


「いや、全然...あんなにかっこいい人たちと話せてよかったです...♡」


ってまさかのそっちなんかい!


ま、ならいいんだけどさ?


「あ、じゃあ私行くのでお兄さんがたによろしくお願いします!」

「あ、ありがとうございました!」



そんなこんなで顔を赤く染めたお姉さんたちと分かれた後も中々出れない私



もうこれは行くしかないのか?

いやでも、いっそこのままここにいればみんなどっかに遊びに行って


この格好を見られないで済むという可能性もある、、



あ、でもしたら迷子になるわ。



じゃあ結局....


「あああ、もう!行くしかない!」


小さく自分に喝をいれ

いざ出陣!!


ーーガラガラガラ


「それにしてもあいつ..
って乙夏おせえ....よ?」



扉を開いた先にいたのは蓮と星也


「ご、ごめん遅れて....」


だ、だめだ...

やっぱり恥ずかしすぎる!

照れ隠しするように下を向き続け、彼らの反応を待つ



すると、

「乙夏っち....めちゃくちゃ似合ってるよ!!!!」



なんて、言ってくれたのは星也



「いや、気にしないで....似合ってないのはわかってるから」


もう今の私には全てがお世辞にしか聞こえないのさ....



「あ!乙夏ちゃん!って、めっちゃ似合ってるし可愛いよ!その水着!」



ここで飲み物か何かを取りに行っていた悠登と春道が帰ってきた



やばいやばい!春道に見られるなんて恥ずかしすぎる、、、




チラッと顔を見れば


ちょっと驚いた顔をしてて



やっぱ変だったかな〜


ちょっとだけ不安になる



「って乙夏ちゃんきいてる?」

「え、あ。え?」

「もー人がせっかく褒めてたのに。」


春道の顔色を伺っていた私は全くもって悠登の話を聞いていなくて


「ご、ごめん!」


とりあえず謝っておいた


「でも乙夏っちほんとに似合ってるよ〜」


目をキラキラさせながらいう星也も可愛い顔して体つきは細マッチョでかっこいい


「星也もかっこいいよ!」



本心からの言葉をいえば



「え、どしたの星也顔真っ赤!」


急に顔柄赤くなってるし


もしかして照れちゃった?


なんても思ったけど、そんなわけもなく....



「乙夏こっちこい。」

「え?....ちょっなに!」

「おい、おまえらどこいくのー?」



そんな周りの声も聞こえず春道に手を引かれるまま

どこに行くかと思えば


「まって、ここ男子の更衣室じゃん!」


「だまってればバレねえだろ」


「なにをおっしゃる!!」



まさかの男子の更衣室!



ーーガラガラガラ


勢い良くドアを開けた春道


や、やばい!!

必死に彼の後ろにしがみつき
あたかも前から見ればいない程でみえる


たまたまこの時は誰もいなくて本当に良かった.....




そしてロッカーについたと思えば目の前でカチャカチャッと何かを取り出している



「ねえ、早くして!誰か来ちゃうよ!」


「うるせえお前の声がでかい方が問題だろ」


こ、こいつ.....



言い返すにも言い返せなくて、とにかく彼の行動が早く終わることをひたすら待つ


「よし、」

「お!おわった?」


「ほら、これ着てろ」


そういって目の前に差し出された白のパーカー



「え、は、なんであっついし!」


そういって春道に差し出されたパーカーを押し返す


まぁ透けてるし暑くはなさそうだけど

せっかくのビキニがもったいない!!



「ダメ、来てねーと痛い目合うぞ」



「わ、ちょ....!」


うえから無理やり被せられた白のパーカーは


どう考えても私には長くて
超ミニのワンピースみたいになってる




「ねえ、これじゃ水着着てる意味ないんだけど」


べつににあってるなんておもってないけどさぁ....



買った意味だよ!!



「バーカ、そんな可愛いのは俺だけがしってればいーの。」



ポンっと頭に乗せられた大きな手




え、まって今....



今さ、


か、か、可愛いって言った!?



「ま、待って春道!」


「あ、なに?」


さっきの言葉は聞き間違えだと思うほどの塩反応なこいつ


でもさっきちゃんと....



「あの...さ、さっきなんて言った?!」



ドキドキしながら聞き返す


すると



「可愛いっていった」



え、な、なんと!!

こんなに素直に言ってくれました!





「とでも言うと思ったかアホ」



「え.......」



「フッ...やっぱお前単純。ほら行くぞ」



そういってさっさと行ってしまった彼



なんだし、ちょっと期待しちゃったじゃん。



べつにいーけどさぁー


なんて、少し拗ねながら扉を開けた



○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*


▷▶︎春道 side in 更衣室



「バーカ、そんな可愛いのは俺だけがしってればいーの。」



蒸し暑い空気の中

なんの影響だかポロッと本音が出た俺



やべえ、

目の前のこいつは、えっとかいって信じられないとでも言いたげな顔してる



まぁ、いつもの俺ならぜってえ言わねぇからか



取り敢えずこの場に2人でいるのがなんとなくぎこちなくて

逃げるように扉へと向かう



「ま、待って春道!」


そんな俺を遮るように引き止める乙夏


「あ、なに?」


そしてあたかも冷静なように返す俺


心臓だけがバクバクいっててうるせえし


外で乙夏の水着姿を見た時は本気でやばいと思った。


元々色白いらしく見えてる肌は白くてスタイルも気づいてないだろうがかなりいい

痩せてるくせに出るとこ出てるし




そんなこいつが今俺のパーカーをきてしかも下の水着が軽く透けてる



ほんとに勘弁してくれよ


しかもまだなんかもじもじしてるし



俺だって考えたくてこんなこと考えてるわけじゃない




「あの...さ、さっきなんて言った?!」



何かと思えば期待を存分に込めたような目を向けて先程の言葉をリピートさせようとするこいつ


なんて言ったか?

んなもん



「可愛いっていった」




っていうしかねえだろ


いうしかなかったけど


乙夏が、あんまりにも満足そうな顔するから

「とでも言うと思ったかアホ」


ついいじめてしまう




「え.......」


明らかショックうけてるし、反応いいんだよな


「フッ...やっぱお前単純。ほら行くぞ」




そういって乙夏を置いて外へ出る


これから起こることにも気付かずに
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