believe


▷▶︎乙夏 side



「あ、きたきた!おまえらなにやってんだよ〜。って乙夏ちゃんの格好的にわかるけどさ」



更衣室を出た後彼らの元へと戻った私たち


帰った瞬間格好のことつっこまれたけど....



「ま、いーじゃん。そろそろうち入りたい病かかる俺」



蓮の意味不な発言に助かりました。


「ま、それもそだね!あそこのパラソルのとこ陣取っといたから休みたい人はそこで!」


そういった途端海へ走り去っていった
悠登、蓮、星也


そして半ば強制的に悠登に連れて行かれた春道さん



私も入りたいけどこれ脱ぐわけにもいかないしなぁ


ってことは、、、



「聖月、泳がないの?」


二人になる可能性


「俺はいい」


100パーセントになりました。



そしてパラソルの下に着いたはいいけど




きまずい!!!!


聖月と二人っきりとか今までなかったし......

お互い無言で永遠みんなを見てて
たまに悠登とか星也が手振ってくれたり

春道がこっち気にかけてくれたり


蓮はもうガチで泳いじゃってるけど....




はぁ、いったい何を話せば.....




「なぁ、乙夏」


「え、あ、はい!」


ちょうど聖月の事を考えているときに話しかけられて

かなり大きな返事をしてしまった私


「声でけえっつーの」


フッ笑いながら言う彼は何だかいつもと違う雰囲気で

それもまたびっくりした


「ごめんごめん」

「別に、てかかき氷くわね?」

「はっ!?」


え、み、聖月がかき氷!?



「あ、なんだよ文句あんのかよ」


「いやいやいや!なんか、可愛いなと思って!」

ふふっと思わず笑ってしまった




「ほら、いいからいくぞ」


「うんうん!」


ちょっと聖月と仲良くなれるチャンスかも!


なんて思いながらルンルンで買いに出かけた



○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*



「え〜いちごが美味しいじゃん!」


「は、だからあれ色つけてるだけだ全部同じ味なの」



着くまでの間好きな味の話になったんだけど


なぜが全部同じ味だと言い張る聖月


「絶対ちがうから!」

「じゃあ全種類買って試す」

「え、うそでしょ?」

「嘘じゃねえ」


そんなこんなでお会計を済ませた私達の手元には


イチゴ、メロン、レモン、ブルーハワイ


の4つが揃ってて


パラソルの下で食べ比べをすることにした



「ついたついた〜!ほら、早く食べよ!」


「乙夏はとりあえずこれ全部食べろ」

そういって差し出されたのはピンク色のかき氷


「じゃあ聖月はこれね!」

イメージカラーてきに青だから勝手にブルーハワイをチョイスしてみた



「んー、やっぱイチゴ美味しい!」


「ブルーハワイとかこんな味だったか」


ずいぶん食べるの久しぶりだったのね...



そんなことを思いつつ、少しずつ食べ比べをする


んー、

どうかんがえても味が違うよ。




「ねえ、全然味違うよ?」


そう問いかければ



「それは、目開けて色で認識してるから」


「な、なるほど、、」



「だから、目つぶれ」


「え?あ、はい」


これ、素直に目瞑っちゃったけど.....


食べさせてくれるってことだよね..?



そんなの恥ずかしすぎる!!



「まってみづ...「まず、これから。口開けて」


見事にスルーされました



や、でもたぶん普通なんだよね!

私にとっては慣れてないけど、聖月にとっては普通なんだよ!!




そう思いながら、差し出されたスプーンを口にくわえる




ん〜え、なんだろ.....




メロン?イチゴ?


え、本当にわかんない!!


「はい、じゃあ次これ。」


まだちょっと恥ずかしいけど本当に聖月が言ってることが正しいのか気になるし


でも二個目を食べても同じ味な気がしてきた、、、、



「ええ、わかんない難しい!」


「だから言っただろ、はい三つ目」


もうここからはほとんど恥じらいもなくなり


1個目、2個目、3個目をまた何回か試す



「んー、もうとりあえずラスト行く!」


「はい、じゃあこれ4つめ」


ーーバシッ


「んんっ....ん.....⁉︎」


突然のことに驚き、目を開ければめいいっぱいに広がる聖月がいて


意識がついて行きもしないまま口内が熱く柔らかいもので犯される


でもその熱いものから伝わるかき氷の冷たさと甘さは余計私を混乱させた



そしてゆっくりと離れた唇



驚きのあまり目を見開いて固まっている私



それをお互いの体が触れる距離で、
やけに艶っぽく嘲笑う聖月


「どうだった?」


「えっ....」


どうだったとは一体何に関してのことを言っているのだろうか



キス?

それともかき氷?



「味、全部同じだったかって」


「あ、ああ。ちょ、ちょっとよく、わかんない....かも。」



明らかに動揺している私を横目に至って何事もなかったかのように振る舞う聖月



もしかしてキスしてないのかな....


や、したよね。しましたわ。


え、じゃあなに!?


考えるほどわからない。



「今の、本気じゃねーから。」


「え、は...?」



そしてまた何を言いだすかと思えばそんなこと



「だから、今のキス100%じゃねぇから」


「う、うん。」


「だから、次隙できたら本気ので行くから。覚えとけ」


「わ、わかった」



聖月のそんな気持ちにもまだ気づいていない乙夏であった。










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