believe



▷▶︎悠登 side



「バカ!やめろっ!」


「悠登髪ボッサボサじゃねーか!」

ブハハハハとか言ってバカにしてきやがる蓮


「お前もお前だわ!」


「フフッ、悠登頭に海藻ついてるしね」


言い返したかと思えば、またこうやって首を突っ込んでくるやつがいる


「もう、俺いじられキャラじゃないよ?」


お手上げポーズをしながらそんなことを言えば


ふとパラソルの方を見つめている春道がめに入る


俺もつられてみれば
あらまーあの二人見事に無言って感じだよね


春道はそれ見て安心してるみたいだけど




まぁね、こいつも随分かわったよな。





たった一人の女の子にあれだけ尽くすなんて

まぁ、乙夏ちゃんはは気づいてないみたいだけどね



「ほら、春道くん俺たちと楽しく遊びましょ。」


「あ?俺はいい...って、やめろ!」


バッシャーーン


ぼーっとしている春道の腕をおもいっきり引き海の中へと突っ込む




俺らを放っておいた罰だ。



ブクブクっという音とともにものすごい勢いで水しぶきをあげ上がってきた



おおおっ..
顔が怒ってます!!



「てめぇ、悠登なにしやがる。」



わーこれはかなり参ったなぁ



「ん?俺じゃないよ。ね、蓮」

と、とぼける俺


「は!?やめろよ!俺じゃねーよ!
な、星也!」

「蓮でも僕でもないよ!」

あ、もうばれちゃった


「「おまえじゃねーか!」」


こんなとこで息ぴったりなんて仲良しだよね俺たち


「はぁ....ま、こうなったらやり返すけどな」


「え、」

「いくぞ」

「「おーす!!」」


そのあと俺が海に沈められ、海藻まみれにされたことは言うまでもありません。



「はぁ、はぁーつかれた。」

「言っとくけどね、被害者俺だから」

蓮はいかにも俺一番やってやったぞ顏だし

「あ゛?被害者は俺だろ」

「被害を受けた何倍も俺に加害を加えただろ!」

「確かに海藻まみれの悠登はよかったよね〜」

星也まで、何納得してんだよ!


まったく困ったもんだこの人たちは。


そんなこんなで砂浜で休憩してた俺たち



「あれあれ、これはどーも鳳桜のみなさん」


ふと後ろから声をかけられたかと思えば



じゃっかんチャラいお兄さん方が3名

その中でも明らかに周りとは雰囲気が違うやつが一人。



「おまえ.....
もしかして雷蘭(らいか)の新しく入ったやつか」



なるほど、そういうわけね。


春道の言葉で気付いたけど今度は本気でやばいやつに遭遇


「お、知っててくれてるんすね。
俺、城咲 伊吹(しろさき いぶき)って言います」


「用はなんだ。」

口を開いた春道


「お、さすが総長さん話が早いっすね。
じゃあ単刀直入にききますけど」


俺の中で本能的になにかをやばい感じ取る


「聖月さんと一緒にいる女って誰なんすか?」


やっぱり乙夏ちゃんの事だったか。


「それ知ってどうするの君」

喧嘩になる前に話をおさめなきゃいけない


「それによっちゃこの俺が撮った写真、大スクープだと思いまして、ね?」


「写真?なんだよそれ。」


城咲と呼ばれる男に一番近い蓮がケータイを覗き込む


「えっ.....」


「なんだ、どうした蓮」


険しい顔つきをする蓮に思わず顔をしかめる春道


「見ます?春道さん...「バカ、お前やめろ!春道もみるなっ!!!」



こんなにも必死な蓮の思いさえ叶わず


太陽に照りつけられ反射するケータイを手に取った春道



ただでさえいつも表情がわからないのに、ケータイの反射で尚更掴めない



だけど

なんで、

なんでそんなに辛そうな顔してんだよ。




ふと見えた彼の顔は今まで見てきた中で一番といってもいいほど辛そうな顔だった



「おい、それなんの写真なんだよ」


俺も星也も気になって、顔を歪める春道からケータイをとる



「うそ、だろ....」



俺が考えていたものをはるかに超えている目の前のこの写真


「乙夏っち、と聖月....だよね?」


明らかに動揺してしまう



「そーっすよ先輩方、
あの女に男装させんのももう意味ないと思いますけどね。」


「っ.....」


限界は感じてたけど、まさかこんなにすぐ回るなんてな


蓮が責任を感じるのも仕方ない


「で、城咲くんはそれを脅しに俺らになんかいいたいわけ?」


あくまで普段通り、いつも通り
冷静に聞く


「悠登さん俺そんなに卑怯じゃないっすよ、逆に鳳桜とは仲良くさせてもらいたいと思ってるので.....


まぁーでも、この写真一枚で仲違いなんかしてもらって自爆してくれてもいいっすよ?」


‘‘それじゃ。”


その言葉を残しこの場を去った男



なんとも言えぬ空気が流れたまま、海の音だけがやたらと響いていた




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