believe


▷▶︎聖月 side


「はぁ....」


パラソルの下
一人仰向けで寝転がり、ただただ同じ景色をぼーっと見つめる



「なにやってんだよ俺、」


さっきのことを思い出してはモヤモヤして

俺に気を利かせてか、気まずかったのか
トイレに行くといってもうかれこれ10分以上はたっている乙夏。



さすがに心配になる。


でもあの時は本当にただ食いたいってだけで買いに行った

だけど曖昧だった自分の気持ちに改めて気づいたら止めらんなくなる位

切羽詰まってたんだよな


「はぁ....」


何度目かのため息。




「おーーーい!聖月!帰ったぞ!」


「あぁ、おかえり。」



少し遠くから聞こえた蓮の響く声。

気づけばみんなも帰ってきてて




...でも、なんかが朝と違う


特に春道。
普段と変わらないような顔をしてるけど目が死んでる


「ってか、乙夏ちゃんは?」



‘‘乙夏”という言葉に
体は少なからず反応していて



「トイレ行くとかいって10分くらい帰って来ない。」


あくまで間冷静に返す


「え〜、聖月ちゃんとみててよ」


「トイレまでさすがについていけねえよ」


なんでかわかんねえけど、

いつもと変わんねえ会話なのに

普段通りなはずだっていうのに

何かがちがう。



それがもしこのことを知っての事だとしたら、

俺はもう最低だ



「あ!みんな帰ってたんだ、ごめんね!」


そんなことを考えている間に乙夏が帰ってきた



「おう、乙夏〜迷ったのかとおもった」

「蓮みたいにバカじゃないから大丈夫」

「俺に喧嘩売るなんて何千年早いっつーの!」




ふざけた会話をしながら彼女もいつも通りを意識して話している




そんなつもりで彼女を見ていれば、バチッと交わる視線


目を泳がせながらさらりと外される




自分で招いた結果だ。


しょうがねえよな、
この言葉一つだけで終わらせたくなどないが



もう始めてしまったもの


俺の中で一つの決断をした時だった。



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