believe
▷▶︎春道 side
普段通りに接する俺
さりげなく聖月と目があったとき
自分の気持ちを見透かされてる気がした
「あ、ていうかもうすぐ日も落ちるし着替えて夕日でも見に行きますか!」
いきなりの悠登の提案
「いいね〜僕も見たい!」
星也も、賛成してるみたいだし
「じゃあ、決定!ホテル一階戻ろっか」
そんなこんなで一同揃ってホテルへと向かう
「 春道 」
そこ呼び声と共に俺の足音が止まる
「なんだ聖月」
何を聞かされるかぐらい分かってっけど
「昼のこと、知ってるよな」
「なんのことだよ」
あたかも知らないふりをする俺
その反応を見て、聖月も俺が何を求めてるかわかったんだろう
大きく息を吸う音が聞こえる
「俺、乙夏のこと好きだ」
分かってたこと、だけどこんなにダメージ来るとは思わなかった
「あぁ、」
そんな俺は聖月の言葉をこんなことばでしか返すことができない
「そう。だから俺、乙夏に遠慮なく行くから」
‘‘だから....”
少しの沈黙が流れる
「だからお前も、好きなんだったらちゃんとぶつかれよ。
そのつもりだろうけどな、」
フッと笑いながら通りすがりに俺の肩に手を置いた聖月
振り返ればだんだんと小さくなる姿
「やるからには負けねーよ。」
その後ろ姿に小声で言い放つ
さっきの不安など消えて心からぶつかる決心をしながら