1/2~あなたに捧ぐ花言葉~
第一章〜高校一年生~
リコリス
朝、目が覚める。
またあの時の夢、
不安な気持ちだといつも見る夢。
夢に出てきて、私を励ましてくれる。
不安な気持ちの理由、それは
今日が入学式だから。
あれから5年が経ち、
私は今日から高校生になる。
あの桜舞う屋上で出会った彼には
結局逢えていない。
このまま忘れていくのは嫌だけど、
それも仕方ないって思いはじめてる。
桜が散っても、夏が来ても、葉が色づき始めても…何度もあの屋上に行った。
淡い期待を抱いては、
何度も砕かれている。