1/2~あなたに捧ぐ花言葉~
私の高校は、はっきり言って遠い。
電車に乗って、
それから20分ぐらい歩かなければならない
今日は車だけど、
もう明日からここを通るのかと思うと
ちょっと憂鬱でもあり、
楽しみでもあった。
親と別れ、教室に向かう。
ここからは1人。
「満桜ちゃん、行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
ニコッと笑って送ってくれるのは、
私の里親の、白河咲良(しらかわさくら)さん。
「気をつけてね、満桜ちゃん」
「もう、雅貴さんは心配しすぎだよ?」
心配性なこの人は、
咲良さんの旦那さんの白河雅貴(まさき)さん。
優しくて綺麗な咲良さん
イケメンで仕事もバリバリこなす雅貴さん
私はこの2人にもらってもらえて、本当に良かったと思っている。
「じゃあ、行ってきます!」
『行ってらっしゃい』
私は教室に向かいながら、
2人との出会いを思い出していた。