1/2~あなたに捧ぐ花言葉~
…………これは一体どういうことだろう。
「なんで!?」
「なんで、って、そりゃあ、俺も委員長だから?」
「違う、そういうことが言いたいんじゃなくて!」
「まあまあ、仲良くやりましょー満桜ちゃん」
「ていうか、煩い」
なんで……
なんで、霖也と霜也がここにいるの!?
授業が終わって、
クラス委員長の委員会場所に来たら……既に2人がいた。
あれだけ噂立てられたのにこれ以上近づいたらどうなるか…………
ん?いや、でもでも、近づくって決めたし………
チャンスだ……!!
「どうしたのー?満桜ちゃん??」
「へ!?あ、なんでもない…っ」
いけないいけない、また自分の世界に入ってた。
「えーっと、始めてもいいかしら?」
私たちか騒がしくしていたうちに、全員揃っていたらしい。
美人の先生が困り顔で立っていた。
は、恥ずかしい………。
「すみません…」
「別にいいのよ?賑やかなのは嫌いじゃないしね」
そう言ってクスクス笑う。
先生、周りの皆が男女問わず頬を染めてますよ……。
「さ、戯れはこれくらにして、始めましようか。
私は担当顧問の河野(こうの)です。
クラス委員の仕事は主に、生徒会の補佐と――――……
さっきから、視線が痛い……
視線の主は言うまでもない、
霖也。
―――はぁ。
なんだろう、疲れる、、、、
真面目に先生の話聞きなさいよ!?
こっちまで集中出来ないじゃない!!
「じゃあ最後に、クラス委員ははっきり言って仕事も多いし、クラスの為にある委員会だからクラスを纏めなきゃいけなくて大変だけど、その分達成感もあると思う。
一年間、一緒に頑張りましょう、よろしくね。
それじゃ、粗方説明も終わったから、解散しましょうか」
…………ほら、終わっちゃったじゃん…
「もう!なんでそんなに見てくるのよ!?」
「綺麗な顔っていつまでも見てたくなるじゃーん?」
「同意を求められてもねぇ!
おかげで先生の話しほとんど聞けなかったじゃない!!」
「まあまあ、先生の話しなら説明してあげるから、そんな怒んないでよ」
「え!?先生の話し聞いてたの!?」
「ん?普通に聞いてたけどー」
神様、これは一体どういうことなのでしょう。
だって私の方ばっか見てたじゃん!!
とても集中してたようには見えなかったけどなぁ!!
「霜也がね」
「……………え?」
「俺は、集中して満桜ちゃんを見てたから先生の話しはほとんど聞いてないよ?」
「………はぁ…」
なんなのよ
なんなのよ!!
「霖也、俺は説明しねーぞ」
「えー、そんなこと言わずにさぁ」
「……はぁ、俺を巻き込むの辞めろよ」
「ちぇー、いいじゃんそんくらいー、霜也ケチだなぁー」
「……はぁ…わかったよ、説明したらすぐ帰るからな」
「さすが霜也、優しーぃ」
霜也は私の方を冷たい目で見ると、静かに説明をしてくれた。
――――――………
「―――…これで全部、もういいか?」
「あっ、ありが、とう…」
「…………あのさ、俺女嫌いって言ったよな、なんで近づくわけ…?」
「そ、そん、なの!」
不可抗力じゃない!
でも霜也は、私の言葉なんて一言も求めていなかったらしく、最後まで聞かずに早足で去っていった。
残ったのは私の言葉と、痛む胸だった。
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