1/2~あなたに捧ぐ花言葉~
「ただいま、咲良さん、雅貴さん」
『おかえり、満桜ちゃん。』
「今日はあの屋上に行ってたんだっけ?」
「うん」
「晴れてよかったね」
「うん、………あれ?」
「どうしたの?」
――――――…サァ…
「雨、降ってきた…」
「さっきまで、晴れてたのにね?」
「夕立かな」
重い雲が、何故だか2人を思い出させる。
嫌な予感がする。
こういう時の私の勘は当たることが多い、
母が死んだ時もそうだったように。
知らずに手に力が入る。
夕立かと思われた雨は
結局、次の日の明け方まで降り続いた。