1/2~あなたに捧ぐ花言葉~
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早くも午前の競技は佳境に入ってきていた。
3種目の、男子1400mの終盤。
何気なくアンカーの一団を見た。
私は、そのうちの一人に目を引き寄せられた。
それは霖也だった。
友達と少しじゃれるような感じで出てくる。
ものすごく、楽しみっって顔してる。
普段とはかけ離れた真剣な眼差し。
その奥に見え隠れする無邪気の色。
しなやかに動く四肢。
誰よりも輝いてるのは彼で。
「速い…………」
誰も追いつけない。
そして………余裕の1位。