1/2~あなたに捧ぐ花言葉~
「じゃあ私は、一体どうすればいいのかな…?」
生きることにはもう疲れた。
死ぬことも出来ない。
なんだか八方塞がりな気がするけど。
少年はゆっくりと、こちらに近づく。
そして、手を差し出した。
「簡単だよ、生きればいい」
「…そんな簡単なことじゃないよ」
「簡単だよ、例えば、今はこの手を取ればいい。辛いなら誰かに頼ればいい。逃げてもいい。誰も向き合えなんて言ってない。
…でも、死ぬのだけはダメだよ」
この人の言葉は、どうしてこんなに優しいのか。許されている気持ちになる。
――今はこの手を取ればいい。
本当に取っていいのだろうか。
彼は、私を貧乏と蔑まないのだろうか。