灰色の世界
白い机に、白い手紙。
同色だから、保護色のように隠れてしまう。

ずっとそれだけ見ていると
平衡感覚を失ってしまいそうになる。

そして
この中に黒い雫を垂らせば、どうなるのだろう。
と、不意に考える。

私のように
中途半端な灰色になってしまうのか。
真っ黒になってしまうのか。

…嗚呼。
我に返ると、馬鹿馬鹿しくなる。

何を考えているの?私は。

それより…
手紙をどうしよう。
< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop