10回目のキスの仕方
「…珍し…くもないか、最近は。」
「…だって、もうこうするしかできません。」
「美海が抱き付いてくるときって大体恥ずかしさに耐えかねてるときだよね。」
「…そう、ですけど…でも、それだけじゃないです。」
「…?」
少しだけできる距離。美海は真っすぐに圭介の目を見つめた。
「…嬉しいです。そんなことまで考えてくれてたことが。私は…圭介くんの隣にきちんと立てているかとかそんなことばっかり考えているのに、圭介くんが遠くを見据えていてくれたことが…嬉しくて。」
気持ちが満たされすぎると、身体が何をしだすかわからない。身体中に溢れる好きの気持ちを全て抱きしめたくて、代わりに圭介を抱きしめた。
「…これ、本当にいつもつけててくれるよね。」
「…大事なものですから。」
圭介が触れたのは美海の左手の薬指に光る指輪だった。
「お揃いなのも嬉しいし、…特別って感じがするんです。」
「特別だからね、実際。」
「…そういうの、さらっと言うのもずるいです。」
「もって何?他にもずるいことしてる?」
「…してます。」
「大体、美海の方がずるいけどね。」
「そんなことないです!」
「いつだって俺の理性を壊そうとしてくる。」
「…し、してません!」
「今のこの状況が、この上なく大きな爆弾だって気付いてないだろ?」
そう指摘されれば、少し冷静になる。確かに自分からこっちを向いてほしいなんて言う自分は、爆弾を落としているかもしれない。
「…まぁ、もう離してはあげないけど。」
「っ…。」
そっと重なる唇に目を閉じれば、圭介の香りでいっぱいになる。いつもより長めのキスに呼吸が乱れた。
「…これ以上するとまずい…。」
「っはぁ…。」
「煽るのやめて。」
「あ、煽ってないです!」
「…寝よ。」
美海を抱く腕の力が強まった。そしてもう片方の手が美海の手に絡まった。
「…今日、手を繋げなかったから、その代わりに。」
「…はいっ。」
*fin*
「…だって、もうこうするしかできません。」
「美海が抱き付いてくるときって大体恥ずかしさに耐えかねてるときだよね。」
「…そう、ですけど…でも、それだけじゃないです。」
「…?」
少しだけできる距離。美海は真っすぐに圭介の目を見つめた。
「…嬉しいです。そんなことまで考えてくれてたことが。私は…圭介くんの隣にきちんと立てているかとかそんなことばっかり考えているのに、圭介くんが遠くを見据えていてくれたことが…嬉しくて。」
気持ちが満たされすぎると、身体が何をしだすかわからない。身体中に溢れる好きの気持ちを全て抱きしめたくて、代わりに圭介を抱きしめた。
「…これ、本当にいつもつけててくれるよね。」
「…大事なものですから。」
圭介が触れたのは美海の左手の薬指に光る指輪だった。
「お揃いなのも嬉しいし、…特別って感じがするんです。」
「特別だからね、実際。」
「…そういうの、さらっと言うのもずるいです。」
「もって何?他にもずるいことしてる?」
「…してます。」
「大体、美海の方がずるいけどね。」
「そんなことないです!」
「いつだって俺の理性を壊そうとしてくる。」
「…し、してません!」
「今のこの状況が、この上なく大きな爆弾だって気付いてないだろ?」
そう指摘されれば、少し冷静になる。確かに自分からこっちを向いてほしいなんて言う自分は、爆弾を落としているかもしれない。
「…まぁ、もう離してはあげないけど。」
「っ…。」
そっと重なる唇に目を閉じれば、圭介の香りでいっぱいになる。いつもより長めのキスに呼吸が乱れた。
「…これ以上するとまずい…。」
「っはぁ…。」
「煽るのやめて。」
「あ、煽ってないです!」
「…寝よ。」
美海を抱く腕の力が強まった。そしてもう片方の手が美海の手に絡まった。
「…今日、手を繋げなかったから、その代わりに。」
「…はいっ。」
*fin*