10回目のキスの仕方
「それより、もっと厚着したほうがいいと思うんだけど。」
「え…?あ、ぱ、パジャマでした!す、すみません、こんな格好で…!」
「あ、いや…それは大丈夫だけど、それじゃ薄くない?」
「少し寒い…ですが、汗が冷えたのかなって…。」
「汗?ずっと寝てた?」
「いえ…あの、片付けを…。」
「片付け?」
「あっ、えっと、はい。」
「…松下さん。」
「は、はいっ!」
はーっと聞こえた深いため息は、呆れを含んでいるような気がする。圭介はゆっくりと間を置いてから口を開いた。
「体調悪いのに、無茶するのはだめ。」
「無茶なんて…。」
「とにかく寝てて。食欲はある?」
「…そんなには…ないんですけど…。」
「病院は行った?」
「あの、ただの風邪というか…自業自得なので行ってないんですけど…。」
はーっともう一度ため息が降ってきた。なんだか段々怒られているような気持ちになってきた。
「…松下さん。」
「は、はいっ!」
「…とにかく寝てて。眠れなくても横になってて。」
「…わ、わかりました!」
美海は圭介に言われた通りにベッドに横になる。美海の部屋は玄関を入ってすぐのところがキッチンになっている。キッチンからビニール袋をごそごそとあさる音が聞こえる。その音が聞こえなくなったと思ったら、今度は包丁で野菜を切る軽快な音が聞こえてきた。
「ごめん、松下さん。」
「ふぁい!な、なんですか?」
「ふぁいって…ごめん。」
堪え切れずに少し吹き出して笑う圭介を見るのは初めてだ。そんな風に笑われてしまうほどおかしい声だったと思うと恥ずかしい。
「わ、笑われるほど変な声でしたか…っ…?」
「いや、…違う…とも言えないけど、なんていうか…ごめん。」
「何のごめんですかそれっ…。」
しばらく笑いが収まらない圭介に美海の頬の温度は上がる一方だ。
「え…?あ、ぱ、パジャマでした!す、すみません、こんな格好で…!」
「あ、いや…それは大丈夫だけど、それじゃ薄くない?」
「少し寒い…ですが、汗が冷えたのかなって…。」
「汗?ずっと寝てた?」
「いえ…あの、片付けを…。」
「片付け?」
「あっ、えっと、はい。」
「…松下さん。」
「は、はいっ!」
はーっと聞こえた深いため息は、呆れを含んでいるような気がする。圭介はゆっくりと間を置いてから口を開いた。
「体調悪いのに、無茶するのはだめ。」
「無茶なんて…。」
「とにかく寝てて。食欲はある?」
「…そんなには…ないんですけど…。」
「病院は行った?」
「あの、ただの風邪というか…自業自得なので行ってないんですけど…。」
はーっともう一度ため息が降ってきた。なんだか段々怒られているような気持ちになってきた。
「…松下さん。」
「は、はいっ!」
「…とにかく寝てて。眠れなくても横になってて。」
「…わ、わかりました!」
美海は圭介に言われた通りにベッドに横になる。美海の部屋は玄関を入ってすぐのところがキッチンになっている。キッチンからビニール袋をごそごそとあさる音が聞こえる。その音が聞こえなくなったと思ったら、今度は包丁で野菜を切る軽快な音が聞こえてきた。
「ごめん、松下さん。」
「ふぁい!な、なんですか?」
「ふぁいって…ごめん。」
堪え切れずに少し吹き出して笑う圭介を見るのは初めてだ。そんな風に笑われてしまうほどおかしい声だったと思うと恥ずかしい。
「わ、笑われるほど変な声でしたか…っ…?」
「いや、…違う…とも言えないけど、なんていうか…ごめん。」
「何のごめんですかそれっ…。」
しばらく笑いが収まらない圭介に美海の頬の温度は上がる一方だ。