レオニスの泪



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翌週の水曜日の夜。



半袖だと、少し物足りなく感じ、薄手のカーディガンを羽織った私は、23時少し前に、さくら公園に着いた。



ーげ。


てっきり一番乗りかと考えていたのに、既に先週と同じベンチに座っている神成を見つけて、心の準備が出来ていなかった為、固まる。




ーこ、声掛けなきゃ…



脳は指令を発しているのだが、あっという間に心拍数が上がり、地に足がくっついてしまったかのように動かない。



数メートル先で人間1名が石化していることに気付かない神成は、携帯をいじるでもなく、この間と同じように、空をじっと見つめている。




その横顔に見入りながら、不思議なものだ、と思った。



二度と会うつもりもなかった人と、こんな風に待ち合わせをするようになるとは。



いまいちはっきりしない関係に頼るにもどうかと思うが、どうも自分は頼ってしまっている。



だが、その事実を認めるのは、中々難しいことだった。
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