レオニスの泪
か弱くて、何も一人じゃできなくて、無邪気に誰かを傷つけて。
そんな人が、可愛いの。
そんな人だと、私も思われていたの。
自分のための時間もなくて、女としての価値もなくなって、かわいくなくて。
だから、その人が、いいの?
私がもっともっともっと努力すれば良かったの?
もっともっと、かわいく、きれいな女だったら良かった?
弱くて弱くてー?
でももう出来ないの。
好きだと言ってくれた言葉は、魔法みたいに効き目が切れた。
本当の愛だとか、そういうのは、きっと宝くじに当たる確率よりも、見つけにくいものなのかもしれないと思ったのは、まさにその時。
信じた自分が馬鹿だった。
愛した私が浅はかだった。
それでも、まだ好きで。
そんな自分を表現することも出来なくて。
楽しかった思い出ばかりが蘇るのに。
ひとつの小さな命よりも、優先することは、出来なかった。
何かをひとつ、増やしたら、何かがひとつ、疎かになる。
だから、さよなら。