レオニスの泪
そして今。
たった今。
自分の独り善がりな生き方も、見抜かれた。
完璧な迄に折られた。
おまけに、泣き顔まで披露した。
ー今、何時だろう。
借りたハンカチから、押し付けていた顔を離し、ふと我に返った。
涙で曇る視界の先。
公園は相も変わらず電灯の光で照らされ、ひっそりとしている。
人目も憚らずに、どれだけ泣いたのか。
声を押し殺したつもりだが、正直周囲に配慮する余裕が無いまま泣いてしまった。
貯められるものではない筈なのに、何年分も蓄積されていたものが、わっと一気に流れ出てしまったかのような、感覚。
同時に想いは過去に遡っていた。
時の流れが計れないのも無理はない。
「ー少し、落ち着いた?」
神成が慮るように訊ねる声が、耳にぼうっと伝わる。
「…はい…」
久々に泣き過ぎて、頭がガンガンするけれど、気分は悪くない。私は鼻声で、何とか返事をした。