レオニスの泪
「…正直…まだ、よく分からないんです…」
視線が、彷徨うように、左右に振れて、地面を捉え、自分の爪先を捉え、最終的に、神成に戻る。
我ながら、何て弱々しく、頼りない声出しているんだろう、と落ち込んだ。
震えて、小さくて。
「意地になっていたような、気も…するし…そうじゃないような…気もします。」
勇吾への気持ちは、間違いなく、経年劣化している。
かといって、直ぐに消せる程の、軽いものではなかった。
若さと、浅はかさと、強烈な感情は、ある意味で過酷な状況を耐え忍ぶ助けになった。
そのおかげで、今まで持ちこたえてきたような気もする。
ーそれが、なくなったら?