レオニスの泪
挙句。
「さ、そろそろー帰らないとね。」
その場に立ち止まったままの私を、今度は体ごと振り返って、待ち姿勢。
「まだ、仕事失ってないですから!」
私は、恥ずかしいような、嬉しいような、腹が立つような、歯痒い思いが重なり合って、結局ぶつくさと文句を言いながら、神成の隣に並んで歩き出す。
それに合わせるように、神成も歩く。
「…一個訊きたいんですけど。」
やはり少し寒い気がする夜道、私はさっき気にかかった事を訊ねることにした。
「何?」
「私…同情ってあんまり良い意味だと思ってないんですけど…さっき悪い意味じゃないって言ったのはどうしてですか。」
あぁ、と小さく呟いて、神成は、前を見ていた視線を、下にずらした。
「同情は、自分以外の人の苦しみや悲しみを思いやって、それを少しでも軽くしてあげたいっていう気持ちだから、そう言ったんだ。だから、僕は良い意味だと思う。」
「さ、そろそろー帰らないとね。」
その場に立ち止まったままの私を、今度は体ごと振り返って、待ち姿勢。
「まだ、仕事失ってないですから!」
私は、恥ずかしいような、嬉しいような、腹が立つような、歯痒い思いが重なり合って、結局ぶつくさと文句を言いながら、神成の隣に並んで歩き出す。
それに合わせるように、神成も歩く。
「…一個訊きたいんですけど。」
やはり少し寒い気がする夜道、私はさっき気にかかった事を訊ねることにした。
「何?」
「私…同情ってあんまり良い意味だと思ってないんですけど…さっき悪い意味じゃないって言ったのはどうしてですか。」
あぁ、と小さく呟いて、神成は、前を見ていた視線を、下にずらした。
「同情は、自分以外の人の苦しみや悲しみを思いやって、それを少しでも軽くしてあげたいっていう気持ちだから、そう言ったんだ。だから、僕は良い意味だと思う。」