レオニスの泪
ほとんどの人間は、職場で悩む。
黙々と自分の作業だけこなすだけなら、仕事というのは人間にとって、喜びにさえ繋がる。
だが、そこには必ずと言って、他者が存在する。
それは、良くもあり、悪くもある。
何故なら、人は誰しも、誰かを支えているのであり、また支えられているからだ。
人は、一人では生きていけない。
だが近年、ストレス社会と言われる世の中で、人々は希望を失い、幻滅し、憤りを持て余している。
感情のコントロールが出来たり出来なかったり、吐き出してすっきりすればまだいいが、負の感情は、周囲だけではなく、本人をひどく傷付ける。そうしてまたストレスは溜まる。
悪循環だ。
そして、仕事とプライベートの線引きの仕方が下手で、自己主張は得意だが、他者を理解することは出来ない。
誰が悪いのかわからないから、誰も責任を取ってくれないから、後戻りできないから、誰かを責めてしまう。
そうして、いつしか、追い込まれてしまう。
自分一人が、苦しいんだと勘違いして。
他が、自分よりも輝いて見えて。
実際は、誰もが、様々なカタチの苦しみを抱えているのに。