レオニスの泪

キラ、と光が弾け。


陽の光を受けた薬指のそれを思い出す。



ー似てるのかな。



認めたくはなかったが、似ている。

だから、惹かれる。


容姿も所々。


何よりも、気丈な所が。

頼り下手で、痛々しい。


そして、儚い。



全てが。


思いの中で、リンクする。


頭では、理解している、分かっている。



彼女とは、違う人間だと。

でも、心が、引き留めたくなる。


放してしまうと、また失う事になるんじゃないかという思いに、急き立てられるように、行動してしまう。



その結果。



「ハウスキーパーとか…何言ってんだろう」



墓穴ばかり掘って、追い詰められて、結局逃げる羽目になっている。


どっちが精神科医なんだ、と、情けない気がするのに。



一体自分は何を期待しているんだろう。



世間の荒波を幾度も乗り越えてきた、シングルマザーに。








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