レオニスの泪



「初めまして。とりあえず生、下さい。」



とりあえず返して、テーブルに広げられたつまみ類に視線を落とした。

本来なら日本酒にいきたかったが親しくない間柄で飲む気分にもなれない。



ー適当に付き合って、当たり障りない所で帰るか。

二次会三次会、オール当たり前な学生の飲み会は、僕には合わず、大体一次会で帰ることにしていた。



「こいつ、こう見えて俺とタメなんだよ。同じ高校なの。」


暫く談笑が続き、それに適当に相槌を打っていたら、突然矛先が自分に向けられ、何を言い出すのかと岩崎を見た。


「えー!見えなーい。」


女子3名は、そのネタにきゃっきゃと反応。


いや実際はー


ーあれ。


朱李だけは、特段驚いた表情はしておらず、黙々と焼き鳥の串を外している。


「岩崎先輩が老けすぎなんじゃないですかぁ?」


「えっ、そうなのかな……てっきり神成が童顔なんだと思い込んでたけど、俺って老け顔?」

隣の隣で、久世が気持ち悪く突っ込み、珍しく酔っ払ったらしい岩崎が、今度は落ち込み始める。そこにまた笑いが起こる。






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