レオニスの泪
「神成先輩は、星お好きなんですか?」
「え?」
他が騒いでいる傍、朱李は串から抜いた鶏肉を口に運んだ後、ゆっくりと唇を拭った。
「神成先輩は、星、好きなんですか。」
突然、突拍子もない質問をされて、僕は一瞬固まったが、そういえば、ここは天文学のサークルだったなということに思い当たり、納得した。
「いや。僕はこのサークルには所属してないんだ。岩崎に飲み会に誘われただけ。」
そもそも、このサークルにきちんと天文学目的で入る人間なんて居るのだろうか。
「そうなんですか。残念です。」
「広瀬さんは?好きなの?」
「当たり前じゃないですか!天文学サークルですよ?」
居たらしい。星が大好きな人間が。