レオニスの泪
それからも、朱李との付き合いは、ゆっくりゆっくりと、続いた。
お互い学部も違うし、自分は忙殺されてるから接点はほぼないのに。
何せ、話しかけてくる。
大学でも。
道端でも。
駅でも。
どこでも。
朱李はいつもはつらつとしていて、気丈で、何でもやりたいと思った事を即行動に移した。
なんでもソツなくこなす方。
一見した所、誰からも好かれている。
彼女にとってマイナスな要素などどこにもありそうになかった。
全てをプラスに変えてしまうような芯の強さを持っていた。
その反面、周囲とはいつもどこか一線引いているように思える時があった。
でも気のせいなのかと思う程度で、特に気に留めていなかった。
だから、気付くのが遅くなった。
彼女の抱えていたものに。