レオニスの泪

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「お前、家帰れてんの?」


総合案内ロビーの椅子に腰掛けた岩崎が、駆け付けた俺に最初に投げかけた言葉はこれだった。



ー『病院近くまで行くから、ちょっと顔出せないか。』


そう岩崎から連絡があったのは、昨日のことだ。留守電に気付いたのは深夜、つまり今日だ。


「ここが家っていう位だよ。」


住み込みと言っても過言ではない。


三ヶ月弱毎に科が変わる。コメディカルスタッフ(医師・歯科医師以外の医療従事者)との関わりも薄いまま、転々と経験を積んでいかなければならない毎日。

休みでも、担当の患者の様子をみる必要があるし、何かあれば駆けつけなければならないし、自由時間なんて皆無に等しい。


苦笑しながら、答えると、岩崎は、だよなぁ、と頷く。
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