レオニスの泪
昨今の季節の移り変わりはジェットコースターのようで、ここの所朝晩はめっきり寒くなった。
「ひゅー、速いはやーい!」
夏なのかと思う程陽射しが強い日もあるにはあるが、それも昼間だけの話だ。
しかし、寒い等とは言っていられない。
「しっかり掴まっててね!」
冷たい風を切りながら、全力疾走のママチャリ。
歩行者や車からしたら非常に迷惑だろう。
わかっちゃいるけど、状況が深刻過ぎる。
「おはようございますー」
「おは、おはようございまっす」
「あらあら、お母さん大丈夫ですかぁ?」
持っていく荷物の多い月曜日。
保育所の入り口で、慧との別れを惜しむ間も無く先生に預け、バタバタと駐輪場へUターン。
少し厚手のコートは、停まると暑い自転車には不向きだ。
走っている時は良いが、こうして降りるとどっと汗をかく。
思いっきり息を切らしながら、サドルに跨って、再びペダルを漕ぎ始めた。