レオニスの泪
バツイチの、自分が。
なんでまたこんな展開を自ら起こしているのー
一番恐れていた事を、自分がやってどうするの。
なんで、好きなんて溢したの。
花粉症みたいに、気持ちが身体の容量をオーバーしてしまって、アレルギー反応を起こしたみたいなものだろうか。
ずっと無視し続けて、否定し続けて、きたのに。
しでかしてしまった事の大きさから、失態から、逃げているかのように、走って走って、アパートの階段も一段抜かしで駆け上る。
近所迷惑だとか、そういう部分にも気が回らない。
肩で息をしている事にも気付かず、中々定まらない鍵穴に苛々し、鍵が入ったら入ったで、一歩間違えれば曲がってしまうんじゃないかという位の力で回した。
玄関を入り、中から施錠してから、私はがくがくする膝を抑えながら、その場にへなへなと座り込む。
走ったせいと、しくじったせいで、心臓が飛び出てきてしまいそうに暴れ回っていた。